伊達公子・一問一答(6)仲間に認められ「こんなに幸せなアスリートはいない」

 会見後、報道陣と記念撮影をする伊達公子(中央)
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 8月28日に自身のブログで現役引退を発表した、女子テニス元世界ランキング4位の伊達公子(46)=エステティックTBC=が7日、東京・有明コロシアムのセンターコート上で引退会見を行い、引退を決断した理由や2度にわたる現役生活を振り返った。

 伊達の一問一答(6)は次の通り。

 -競技人生を振り返って。

 「こんなに幸せなアスリートもそういないんじゃないかなと。2度も世界のトップレベルで戦うチャンスを得ることができて、1度目はランキングにこだわってトップ10、最高で4位になって、グランドスラムでもセミファイナルを二つ三つ経験することができた。2度目の再チャレンジでは30代後半から40代前半の中でトップ50をクリアできたことは、自分でも想像できなかったし、若い選手たちがトップ50を目指してもなかなか経験できない中で、それがまして2度目のキャリアと年齢でできたことは確かにいい経験でした。何よりツアーが楽しく若い海外のプレーヤーとも仲良く一緒にツアーを回りながら、いつも冗談を言い合って、みんな快く練習をしてくれたし、毎週違う会場に行って、選手たちが『キミコ、ジムはどこ?ジムにこれ(器具)あった?キミコに聞けば分かるわ』とそれぐらい親しくしてくれたことも楽しかった。ツアーというのは強くいること、勝つことが最終的なみんなの目標だとは思うが、テニスはシーズンが長いスポーツでツアーを同じメンバーやスタッフで回っているので、そこのツアーの中で認められていたことも、なかなか経験できないと思うので、幸せなアスリートだったんじゃないかなと思います」

 -自身にかける言葉は。

 「うーん、二つありますね、ヘヘヘ。ここ3、4年はどこかしら痛みを抱えるところがあって思うように練習ができないとか、トレーニングをしたくても追い込めないとか、そういう日々も多くなって、どうしても薬に頼らなくてはいけないことも多くなった。ドクターもできるだけ薬は打ちたくないが、いつも『先生、私、先があまりないんで』という会話になる。これが20代だったら(薬を)打たないでいくかという結論になるんですけど、そういうことを考えると『もういいかな、もう十分やったよね』と思う自分と、テニスに対する思いは薄れることはないので、体の回復力が遅れたとか、練習についていけないとか、そういうのはしょうがないことなのかな。痛みを我慢することもいいんですけど、痛みがあることによって練習をこなせなくなってきたことはつらいので、そこだけが心と体のバランス。そこが崩れ始めたことを考えても『しょうがないかな、受け入れるしかないかな』という思いと、でもその半面、やっぱりまだ、やめなくて済むならやめたくないので、正直。ただその辺がバランスが崩れてしまったことがツアーで戦う以上は受け入れること、それが難しかった。思いが常に半々、まだまだやれるという思いがないわけではないし、現実の痛みが消えるわけでないので」

 -3度目の復帰は。

 「ハハッ、さすがに~それはないですね。やれるものならホントにまだやりたいですし、この大会で『あれ、意外と痛みなく、ちょっとスミマセン、引退、引退撤回します』と言いたいところなんですが、さすがに今回はもうないかな」=おわり=

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