伊達公子・一問一答(3)続けられた原動力は「やっぱり私はテニスが好き」

 8月28日に自身のブログで現役引退を発表した、女子テニス元世界ランキング4位の伊達公子(46)=エステティックTBC=が7日、東京・有明コロシアムのセンターコート上で引退会見を行い、引退を決断した理由や2度にわたる現役生活を振り返った。

 伊達の一問一答(3)は次の通り。

 -復帰して9年半。現役を続けさせた原動力は。

 「今だから言えるのは、やっぱり私はテニスが好きでスポーツが好き。そこに尽きるのかと思います。90年代は海外でプレーするアスリートというのは数が少なく環境も大きく違いました。それをすべて受け入れて戦える精神力はなかったんじゃないかな。メジャーリーグにいた野茂さん、ゴルフではまだ岡本綾子さんぐらいしかアスリートは海外にいなかった。米国のツアーにいくと『ノモノモ知っているか』と言われた。当然ですが、メディアからの対応も自分なりにうまくこなすだけの器もなかった。自分自身の中に強いこだわりもたくさん持っていた。それと勝ちたいという思いから、勝ち続けなければいけないということに耐えられる精神力も常にいっぱいいっぱい。それに疲れ果てていた。再チャレンジを始めてからは、ホントにツアーが楽しくて、勝つことだけが目的にはならなかった。一つ一つのチャレンジがホントに楽しくて、必ずしも結果につながることだけが達成感ではなかった。37歳から再チャレンジを始めてから、初めて感じた。その思いはすごく大きくなっていったからこそ、9年半も続けられたのかなと思います」

 -9年半前の会見では『これからは戦う姿で若い選手たちに刺激を与えたい』と。

 「1年目にはコートに立って若い選手たちに伝えられることはあるという思いだった。2年目、3年目になってくると、日本人と戦える数が限られてしまったことと、再チャレンジを始めたときの思いとは変わって、正直、後半は自分自身のチャレンジばかり。自分の年齢で時代ごとに変わっていくテニスにどう対応していくとかを追求していくことに価値を見つけていた。自分がチャレンジしていくことを若い選手がどう感じていたかは私には計り知れないが、私が勇気を与えていればいいなという思いは持っている」

 -引退の大会に向けて重視していることは。

 「会場入りしたのがきょうが最初で、久々に朝は外のコートで練習していたが、途中で雨が降ってきたので、このコロシアムに移ってきて少し練習をさせていただきました。雨が降ったことによって、もうコロシアムのコートに立てないと思っていたが、きょうコロシアムに立ってホントに気持ちいいなと強く思った。実際今の状態というのは…何をもっていいと言えばいいのか、何をもって悪いと言えばいいのか表現が難しい。膝は停滞気味ですね。すごく良くなることももうないので当然引退ということになった。痛みということでは、やはり肩の方が大きい。7月末に米国から帰ってきた時はホントに痛みがひどくて、日常生活にも支障が出るくらいで、有明のこの大会にギリギリ間に合うか間に合わないかなというレベル。ドクターもトレーナーも支えてくれる人たちも皆さん、どうにか間に合うようにサポートして、出られるレベルまでは来ていると思っている。本来の自分自身の思うプレーが何パーセントできるかということになると、ふたを開けてみないと分かりませんし、あとはアドレナリンが出てどこまで痛みを忘れてプレーできるかにかけるしかないかなと思っているので、最後の試合と自分の中で思うとホントにいろんな思いが出てくると思うので、総合的に考えて何か見えない力が最後に働いてくれると信じて、当日を迎えたいと思っている」

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