サニブラウン、ボルト超え7位 「悔しいだけ」東京五輪で必ず伝説になる!

 「陸上・世界選手権」(10日、ロンドン競技場)

 男子200メートル決勝が行われ、同種目史上最年少の18歳5カ月で決勝に進んだサニブラウン・ハキーム(東京陸協)は20秒63で7位となり、日本選手団今大会入賞1号となった。これまで最年少記録を持っていたウサイン・ボルト(ジャマイカ)は18歳11カ月だった2005年大会で8位。今大会限りで引退するレジェンドの順位を上回った。日本勢で03年大会銅メダルの末続慎吾以来の表彰台はならなかったが、世界にそのポテンシャルを見せつけた。

 世界の頂に真っ向から挑み、そして華々しく散った。史上最年少で立った世界最高峰の舞台は、堂々の7位。それでも…。「悔しいだけ。こんなんで満足してちゃ駄目。勝負できなきゃ、全然面白くない」。メダルしか狙っていなかった若武者はゴール後、座り込み、何度も何度も漆黒の夜空を仰いだ。

 「自分より速く100メートルを走る選手はいない」。自信を持ってスタートから一気に加速すると、コーナーを抜ける手前まで先頭に立っていた。しかし、100メートルと合わせてこれが5レース目。体が悲鳴を上げた。違和感を抱えていた右太もも裏が痛み、失速。「ラストは脚が痛くて全然動かなかった。食らいついていけてたら…。結局全ラウンドを走りきって1番にならないと意味がないと、肌で感じた試合だった」と唇をかみしめた。

 それでも、その才能が頂点に届く可能性を十分に示した大会となった。9月からは米フロリダ大に進学。1月から拠点にしていたオランダを離れ、再び新たな環境に飛び込む。数々の金メダリストを生み出し、サニブラウンを8カ月間指導したレイダー・コーチは「この大会は序章に過ぎない。彼に限界はない」と素質を評し、ちゃめっ気タップリに未来をこう予言した。「東京五輪の後にはすごく有名になって、すごくお金持ちになるんじゃないかな」-。

 それはまるでボルトが歩んだ物語のように。ロンドンの地で始まった序章は、3年後の東京できっと伝説に変わる。

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