白鵬、まるでぶつかり稽古!仁王立ちで「来い!」

 「大相撲名古屋場所・4日目」(12日、愛知県体育館)

 横綱白鵬(32)=宮城野=が西前頭筆頭貴景勝(貴乃花)を寄り切って、初日から4連勝に伸ばした。土俵で仁王立ちし、ぶつかり稽古のように20歳を受け止めて一蹴。観戦した将棋界の若きスター・藤井聡太四段(14)に横綱相撲を見せ付け、魁皇(現浅香山親方)の持つ史上最多の1047勝まであと7勝とした。

 白鵬は土俵中央付近で足を止めた。両手を広げ、「来い」と無意識に口にしていた。約8秒間にらみ合った後、貴景勝はワナに吸い込まれる獲物のように飛び込んでいった。勢い十分の20歳をあっさり捕獲。苦もなくそのまま寄り切った。

 観戦した藤井四段も“参りました”の一番だ。序盤はまるでボクシング。ジャブのような激しい突き合いで威嚇。中盤は右腕をぐるぐる回してプロレス。終盤は仁王立ちのぶつかり稽古で“かわいがり”。約30秒で余裕の詰みだった。

 真っすぐ来る“香車”は角界の“玉”の敵ではない。「最後は間がありましたけどね。攻めるより受けると切り替えた。余裕があるから勝つんだ」と格が違うと言わんばかり。ぶつかり稽古は誘ったのか?の問いには「ははは、後はつかんで出るだけ」と笑った。

 打ち出し後は若き将棋界のスターと対面。扇子もプレゼントされ、「弟ができた」とご満悦。「横綱も一生懸命やっていると思ってもらえたら。またゼロから挑戦して自分の記録を塗り替えてもらえれば。彼は若いからチャンスはなんぼでもある」と激励した。

 前人未到の38回の優勝など自身も角界の記録を何度も塗り替えてきた。「(藤井四段の印象は)静かで良かった。静かさの中に強さがある。大人として成長した時、その強さを見てみたいね」。29連勝という将棋界の新記録を打ち立てた14歳に、同じ勝負師として大いに刺激を受けた。

 この日、鶴竜が途中休場するなど上位陣が不安定な中で大関、横綱ではただ1人、初日から4連勝。積み重ねた星は1040勝に達した。史上1位、魁皇の1047勝まであと7勝。「また一番一番」と、1勝の重みを知るからこそ緩めない。

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