桐生祥秀、まさかのフライング失格 DL上海では9秒台お預け 好調スタートが仇

 「陸上・ダイヤモンドリーグ上海」(13日、上海体育場)

 男子100メートルが行われ、日本人初の9秒台の期待が懸かったリオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダリストの桐生祥秀(21)=東洋大=は、スタートのフライングにより、まさかの失格となった。ケンブリッジ飛鳥(23)=ナイキ=は10秒19で4位、サニブラウン・ハキーム(18)=東京陸協=は10秒22で5位に終わった。風は追い風0・1メートルだった。

 まさかの形で、夢の9秒台はまたも持ち越しとなった。フライングによる失格を示すレッドカードが示されると、桐生は不服そうにレーンを後にした。

 最初のスタートで桐生の隣のレーンだったヤング(米国)が明らかなフライングで失格。桐生はその際、抜群のスタートを切っていた。これで歯車は狂った。続く2度目のスタートは、ほぼ揃ったスタートだったが、わずかに桐生がフライングの判定。上海の地で悪夢が待っていた。

 スタートには手応えを持っていた。4月の織田記念国際の前日、土江コーチが手を叩く音に反応して、スタートを切る練習を繰り返していた。実際に織田記念ではスタートのリアクションタイムは最速の0秒111。世界屈指のスタートダッシュを誇るライバルの山県亮太(セイコーホールディングス)に匹敵する数字だった。研ぎ澄まされたスタート感覚が、仇となったのか…。

 あえて9秒台を意識しないで挑んだ大会だった。世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)への出場は、高校3年生の時のバーミンガム大会以来4年ぶり。今季初戦から10秒0台3連発という実績で、堂々と招待を勝ち取った。出場メンバーは桐生、ケンブリッジ、サニブラウンの日本勢3人を除き、残る6人は全員自己ベスト9秒台のハイレベルメンバー。「メンバー的にも(世界選手権の)ファイナルのラインだと思う」と、今季の最大目標であるロンドン世界選手権での決勝を見据えた試金石に位置付け、勝負にこだわっていただけに、走ることすらできなかったのは痛恨だ。

 ただ、現時点で9秒台に最も近い存在が桐生なのは間違いない。次戦は大学4年生として、最後の関東インカレ(25日開幕・日産スタジアム)。そして6月上旬にはDLローマ大会もある。上海の屈辱を糧として、偉業へと挑み続ける。

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