現役引退を発表したフィギュアスケート女子の浅田真央（２６）が１２日、都内で引退会見を行い、冒頭から笑顔を絶やさず、引退を決めた時期、得意ジャンプのトリプルアクセルへの思いや今後について語る中、会見の最後にあいさつで思いがこみ上げた。しかし、感極まる前に報道陣に背を向け目をぬぐい、最後まで涙は見せなかった。

　「晴れやかな気持ち」だったため白色のブラウス、ジャケット姿で姿を見せた。「気持ちも体も、自分の気力も全部出し切ったので、今は挑戦して何も悔いはないです」ときっぱりと言い切り、「私自身、本当に晴れやかな気持ちでこの場にいます」と笑顔を絶やさなかった。

　しかし、会見の最後、「本当に晴れやかな気持ちで引退を迎えることができました」とあいさつした後に、この会見で初めて顔を曇らせた。約２０秒沈黙し、後ろを振り返ると、そっと目をぬぐった。「笑顔で…前に進んで行きたいと思っています」と振り絞ると、再び報道陣に背を向けて目に手をやった。こみ上げるものは確かにあったが、最後まで涙は隠して、新しい人生へ歩を進めた。