貴源治が十両昇進 初の双子関取へ一歩 兄も同部屋力士

新十両に昇進した貴源治(右)と双子の兄・高公俊
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 日本相撲協会は29日、都内で夏場所(5月日14初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、貴源治(19)=貴乃花=の新十両昇進を決めた。春場所は西幕下筆頭で4勝3敗と勝ち越した。栃木県小山市出身、13年春場所で初土俵を踏んだ。同部屋の幕下貴公俊は双子の兄であり、16年の夏巡業からは兄弟で初切を担当している。貴乃花部屋からは貴ノ岩、貴景勝に続く3人目の関取になった。

 京都府内の宿舎で師匠の貴乃花親方(元横綱貴乃花)とともに会見。「うれしいです。ほっとしています」と緊張気味。入門から4年かかったことには「濃い4年でした。最初は記録にとらわれて、18歳で上がると思っていた」と、本人にとっては想定以上の苦難だった。

 2年前、幕下から三段目に落ちた時は転機になった。「親方から言われたことを素直にできず、成績が伸びず苦しかった」と言う。貴乃花親方からは「突け」と指導されたものの、まわしを取る相撲で惨敗。「情けなくてふがいなかった」とどん底だった。

 15年九州場所で「負けてもいいから師匠に言われたことを」と突き1本を決めて、成績は上がりだした。そこからは無心に番付を駆け上がった。

 身長191センチ、体重153キロ。中学時代は兄とともにバスケットボールに打ち込み、全国3位にまでなった。「親孝行がしたい」と、体一つを仕事にできる未経験の相撲界に兄弟で飛び込んだ。

 貴乃花親方は「相撲未経験者が入ってよくここまで来た。入門時、体力はあったけど、相撲経験者には勝てない。そんな時、相談を受け、『やり続け、やることをやれば十両になる日も来る』と伝えたら、奮起してここまでやってきた。高みを目指してこれからもやってほしい」と、まな弟子の順調な成長に目を細めた。

 自らを「大胆」と言う貴源治は十両は通過点。「今年中に幕内に上がりたい。三役、横綱を目指す。やりたい力士は横綱まで全員」と鼻息荒く話した。

 兄が十両に昇進すれば史上初の双子関取となる。「支え合う存在。兄も勝ってもらいたい」とエール。兄・公俊は「うれしい気持ちと悔しい気持ち。(弟の)会見中は悔しくて泣きそうでした。早く稽古したい。焦るなと言われても焦る」と、1場所も早く弟に追い付く決意をむき出しにした。

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