稀勢の里5連勝!高見山に並んだ 歴代9位の幕内通算683勝

 「大相撲春場所・5日目」(16日、エディオンアリーナ大阪)

 新横綱稀勢の里は、平幕の勢を寄り切り、5連勝とした。幕内通算683勝は高見山と並ぶ歴代9位となった。横綱白鵬が「右母趾(ぼし、足の親指)捻挫、右大腿筋群損傷で3週間の加療を要する」との診断書を日本相撲協会に提出して休場。17年ぶりの“4横綱態勢”が早くも崩れる中、不動の主役として存在感を見せつけた。全勝は稀勢の里のほか、大関照ノ富士、関脇高安、平幕の宝富士、栃煌山の5人となった。

 獅子は兎(うさぎ)を狩るにも全力を尽くす。稀勢の里は、過去14戦全勝だった勢をじっくり追い詰めていった。

 左を差し、右を抱えて盤石。回り込まれても逃さず、投げにも動じない。土俵を一周し、粘った相手は観念したように土俵を割った。「まあ、焦らずにね」と会心の内容だった。

 前日、勢は白鵬を電車道で撃破した。横綱を倒した相手を翌日に迎えるのは今場所、正代、蒼国来に続き3度目になる。「横綱が多いからね」。4横綱時代なら起こりうることながら、気持ち的にも乗る挑戦者をことごとくはね返したのは圧巻だ。

 重圧のかかる新横綱場所で5連勝と序盤を満点突破。「いいんじゃない。一日一日ですから」と、短い言葉に充実感を込めた。

 白鵬が休場した。「集中してやる。変わらずやるだけ」と、春の浪速のけん引役として責任を果たすのみ。優勝争いは、稀勢の里が中心なのは間違いない。

 幕内683勝目は高見山に並ぶ歴代9位。偉大な先人らが作ってきた大相撲の歴史に、自らの名を刻んだ。「しっかりやるだけです」と、慢心はみじんもない。

 史上最多37度の優勝を誇る大横綱白鵬に陰りが見え始めたのは確か。荒れる春場所、政権交代、“稀勢時代”の始まりを予感させる。

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