鶴竜 横綱の意地!後輩の力信じ厚いカベになる

 「大相撲九州場所・7日目」(19日、福岡国際センター)

 横綱鶴竜が遠藤を突き落とし、全勝で単独首位を堅持した。横綱白鵬は嘉風を送り出し、綱とりの大関豪栄道は魁聖を巻き落として、ともに連敗を免れ1敗を守った。横綱日馬富士は小結御嶽海を寄り切って6勝1敗。大関とりの高安は、大関琴奨菊を突き落として3連敗を免れ、4勝目。無敗の鶴竜を白鵬、日馬富士、豪栄道、新入幕の石浦が1敗で追う。

 綱の意地と誇りがさく裂した。鶴竜は立ち合い、頭で当たって遠藤を突き起こすと、出てくる相手を右に回り込んで突き落とした。格上の力を存分に見せつけ「そんなにいい相撲じゃないけど、うまく体が反応した」と、こともなげに振り返った。

 クールな言葉の裏には、相手の状態に応じて相撲レベルを上げる高い対応能力があった。前日、一気の出足で白鵬を破った相撲を見て、遠藤への警戒レベルを上げた。「(相手の)足はまだ完璧ではないが、いい当たりをしてくる。前とはちょっと違うな、と思ったからね」と手の内を明かした。

 一昨年の春場所前には、初めて幕内上位に上がってきた遠藤に1対1で稽古をつけたことがあり、成長を常に気にかけてきた。「前は頭で当たってくることは、ほとんどなかった。彼も自分の相撲を変えてきた。あの体で、胸で当たるのは無理がある」。厚いカベになることで、後輩のさらなる精進を促す。

 名古屋場所は腰椎椎間板症などで途中休場したが、秋場所15日間取り切ったことで体調が上向いた。7日目までの全勝は、準優勝した一昨年の名古屋場所以来。「まだ7日目。これから」。天才的な相撲勘を持つ男が、7場所ぶり3度目の賜杯へ照準を絞った。

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