“黒の真央”今季初戦SP納得の2位発進 公言通りトリプルアクセルはなし

 「フィギュアスケート・フィンランディア杯・第1日」(6日、エスポー)

 元世界女王の浅田真央(26)=中京大=が今季初戦に臨み、ショートプログラム(SP)で64・87点の2位につけた。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)こそ当初からの予定通り跳ばなかったが、連続ジャンプやステップなどは大きなミスなくまとめた。昨季の世界選手権で3位のアンナ・ポゴリラヤ(ロシア)が69・50点で首位。フリーは7日に行われる。

 滑り終わると、ほっとしたような笑みがこぼれた。浅田が今季初戦のSPを終え、2位で発進した。「今の状況、調子の中で自分ができるすべてを出せた。今回の試合の目的を、一つは達成できた」。納得のシーズン初戦だった。

 小学3年生以来というフィンランドでも知名度は抜群。選手紹介から大歓声を浴びた。冒頭は公言通り、代名詞のトリプルアクセルは回避し、ダブルアクセルに。3回転-2回転の連続ジャンプも成功させるなど、試合の緊張感の中で現状を確認した。

 今季のプログラムは、SPとフリーで一つのストーリーが完成する。スペインの作曲家ファリャの「リチュアルダンス」と同じ曲で、SPは黒、フリーは赤のイメージで、アレンジを変えて演じる。

 背中の大きくあいた黒の衣装を身につけたSPのテーマは「少しダークな感じで。でも激しく力強く」。常に両手を大きく動かす演技の構成は「ほとんど休むところがない」というハードなものだ。重厚なピアノの音色が響くかと思えば、時にリズミカルに変化する喜怒哀楽の激しい旋律に乗せ、大きな減点なくまとめた。

 今大会はあくまで試運転と位置づける。SPの自己ベストからは約14点も低かったが「自分ができるものは出せると分かった。満足はしているし、次につながると思う」と前向きだ。

 7日にはフリーのプログラムを初披露する。課題と収穫を抽出しながら、今後のグランプリ(GP)シリーズへ向けて足場を固める。浅田の復帰2シーズン目が、いよいよ本格的に幕を開けた。

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