ケイリン、メダルイケる! 坂本HC手応え「渡辺状態上向き!脇本世界でも通用」

 8月5日(日本時間同6日)に開幕するリオデジャネイロ五輪に向けて調整を続ける自転車競技トラック種目代表チーム。競輪界からは短距離ヘッドコーチ(HC)の坂本勉(53)、選手の脇本雄太(27)、渡辺一成(32)、中川誠一郎(37)を輩出し、2008年北京五輪以来、2大会ぶりのメダル獲得に挑む。

 自転車競技でもプロの五輪参加が認められた1996年アトランタ大会から、競輪選手は3大会の3種目でメダルを獲得している。だが、12年ロンドン大会でメダルを逃すと、14年4月から元競輪選手の坂本が、日本代表チーム短距離ヘッドコーチに就任。84年ロサンゼルス大会のスプリント銅メダリストが、2大会ぶりの表彰台を目指して手腕を振るう。

 「自分がメダルを取ったときとは違う部分もある。そのときの自分の経験や、チームスタッフが今のデータを分析したものを合わせて、世界で戦うためのメニューを組んだ。中川、渡辺、脇本には厳しい練習をしてもらった。合宿とレースの繰り返しで、今は一番きつい状態になっていると思う」

合宿計50日間に海外遠征で強化

 4月6日のリオ五輪代表発表から、選手には計画的なトレーニングを課してきた。これまで9回の強化合宿は計50日間に及ぶ。6月にはドイツに海外遠征し、五輪を想定した国際大会に出場してレベルアップを図った。

 「このあとは、うまく調整していければ、リオでいい結果を出せると思う」と坂本HCは手応えを実感している。

 今回のリオ大会で競輪選手は2種目に出場する。ケイリンに脇本と渡辺、スプリントには中川。五輪前の最後の実戦として8~10日まで静岡県・伊豆で開催されたジャパントラックカップに出場。国内での予定を順調に消化して選手3人への指揮官の期待は膨らむ。

「中川は不思議」

 「メダルの可能性はケイリンの2人が高い。渡辺は6月のドイツ合宿後から、状態が上がっている。五輪は3大会目で経験が豊富。集大成にしてもらいたい。脇本は世界選手権でも決勝に乗った実力がある。今大会で10秒3の上がりタイムは、世界でも通用するレベル。若さを前面に押し出した攻めるレースをしてもらいたい。中川は不思議な選手。年齢的にきついけど、まだタイムが縮みそう」

 日本代表は25日から5日間の国内合宿を経て、8月2日からカナダで最終調整を行う。五輪開催国のブラジルと時差が1時間しかない北米へ移動して本番に備える。そして、競技開始直前の8日に現地リオの選手村に入る予定だ。

 「リオ五輪の試合会場となる自転車競技場の設計者が、伊豆のものと一緒という話が入ってきた。テストライダーから『伊豆のベロドロームと(バンクの形状が)そっくり。日本選手は走りやすいはず』という報告は日本チームへプラスになる」と坂本HCは目標をはっきりと見据える。

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