桐生出遅れ4位 自身に怒りにじませる

 「陸上・セイコー・ゴールデングランプリ川崎」(8日、等々力陸上競技場)

 男子100メートルで日本人初の9秒台の期待がかかった桐生祥秀(20)=東洋大=は、スタートでの出遅れが響き、10秒27(向かい風0・4メートル)で4位に終わった。ロンドン五輪代表の山県亮太(23)=セイコーホールディングス=が10秒21で日本人トップの2位となり、13年日本選手権優勝以来3年ぶりに桐生に先着した。04年アテネ五輪金メダリストのジャスティン・ガトリン(34)=米国=が10秒02で優勝した。

 言葉の端々に、自身への怒りがにじみ出た。9秒台への期待が高まる中で今季国内初戦を迎えた桐生だったが、ガトリンはおろか山県にも先着を許し、まさかの4位。「国内で日本の選手にも負けた。敗者なんで、何も言うことない」と怒気をはらませながら、早口で敗戦の弁を紡いだ。

 オフシーズンに取り組んで来た新スタートが不発に終わった。スタートの反応を示すリアクションタイムは、8人中最下位の0秒184。ガトリン、山県は0秒14台だった。中盤の加速も影を潜め、上位に突き放された。「出た瞬間に明らかに出遅れたと分かった。最初の30メートルが駄目だと、後半も良くない。悪い部分が出た」

 今春に武者修行に行った名門ベイラー大で指導された9秒8台の選手の歩幅を参考にし、最初の3歩を大きく出るスタートを取り入れた。練習では手応えをつかんでいたものの、一発勝負の今大会でその成果を発揮することはできなかった。

 ただ、まだリオ五輪シーズンは始まったばかり。世界にも、3年ぶりに先着を許した山県にも借りを返す機会はある。「いうても、まだ2試合目なんで。ごちゃごちゃ言っても仕方ない」と自らと周囲に言い聞かせるように話した後、きっぱりと言い切った。「次勝って、タイムも出せば、何も言われなくなる。夏(日本選手権)は大差で勝ちますよ」。日本短距離界の主役が誰なのか、ここから結果で示し続ける。

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