競歩鈴木雄介、世界新! リオ「金」へ

 「全日本競歩能美大会」(15日、能美市日本陸運公認コース)

 男子20キロでロンドン五輪代表の鈴木雄介(27)=富士通=が1時間16分36秒の世界記録を樹立して優勝した。8日のフランス選手権でヨアン・ディニ(フランス)がマークした1時間17分2秒を26秒更新。自己記録の1時間18分13秒も大幅に縮め、4大会連続の世界選手権代表に決まった。五輪、世界選手権の陸上の実施種目で、日本選手が世界記録を樹立するのは、2001年の女子マラソンの高橋尚子以来14年ぶりで、男子では1965年のマラソンの重松森雄以来50年ぶり。

 詰めかけた観客の視線を一身に浴び、力強くガッツポーズを繰り返した。鈴木が地元石川で世界の歴史に名を刻んだ。「自分でもびっくり。まさか世界記録までいけるとは思っていなかった」。差し出される祝福の手を握り返した。

 スタートして最初の1キロは3分55秒。描いていた2キロ7分45秒ペースに遅れ、ギアを上げた。4キロまでの2キロは7分32秒。想定を上回るタイムに「落とさずにいってしまおうと思った」と、後続を引き離して独り旅に入った。

 2012年ロンドン五輪では、メダル獲得を公言しながら左膝痛の影響で36位。気持ちの高まりが力みにつながった。今村コーチは「ここ3年はそういうパターンになっていた」という。

 合宿では自ら早めのタイムを設定し、仲間を引っ張るなど実力は折り紙付き。昨春からは契約社員となって、より競技に集中できる環境も快挙を後押しした。

 歩型の美しさは誰もが一目を置く。レース終盤には、タイムが落ち込んだが「美しいフォームが僕の理想。美しく歩き抜いて記録を出したかった」とこだわりを貫いた。日本の第一人者から、一気にリオデジャネイロ五輪での金メダル候補へ。「ここがゴールではなく、もう一段階(力を)上げないといけない。(金メダルを)取れるところまできている」と堂々と宣言した。

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