39歳・室伏、前人未到の20連覇達成

 「陸上日本選手権・第2日」(7日、とうほう・みんなのスタジアム)

 男子ハンマー投げで、室伏広治(39)=ミズノ=が、73メートル93で前人未到の20連覇を達成した。男子100メートル予選で9秒台の期待が懸かる桐生祥秀(18)=東洋大=は、10秒15の全体1位で8日の準決勝に進出した。女子200メートルでは日本記録保持者の福島千里(25)=北海道ハイテクAC=が23秒79で4連覇した。

 10月に“不惑”を迎える鉄人が金字塔を打ち立てた。強い雨が降りしきる中、赤いヘアバンドをつけた室伏は、培ってきた技術を駆使し、安定した投てきを披露。2位に6メートル以上の差をつける完勝で、節目の20連覇を飾った。

 「五輪、世界選手権に勝つことに近い、価値のある20連覇だと思う」

 福島で達成することにも大きな意味があった。東日本大震災以降、毎年被災地を訪問し、陸上教室を行うなど尽力してきた。交流のある石巻の高校生らが観客席から見つめていた中、「東北の底力を感じた。素晴らしい試合を作ってくれてありがとうと伝えたい。少しでも花を添えられたらと思っていた」と、声援に応えた。

 初優勝から19年。衰えを知らない息子に、スタンドから見つめた父重信氏も「20連覇は投てき競技でも難しい。傑出した才能がないと。誰も超えられない」と、目を細めた。

 “20”という数字を迎え、今後について室伏は「区切りがついてよかった。またチャレンジするかはこれから考える」と言葉を濁したが、「できるところまでは、とは思っている」とも言った。少なくともこの日の鉄人の姿は、“限界”の2文字などみじんも感じさせなかった。

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