吉田ヒヤヒヤV11 苦戦に弱音も

 「レスリング全日本選手権・最終日」(23日、代々木第二体育館)

 女子は55キロ級で五輪3連覇の吉田沙保里(31)=ALSOK=が2年ぶり11度目の優勝を果たした。吉田は昨年欠場した。59キロ級は、五輪63キロ級3連覇の伊調馨(ALSOK)が、63キロ級と合わせて10度目の制覇。72キロ級は35歳の浜口京子(ジャパンビバレッジ)が2年ぶり16度目の優勝で、自身の最多優勝記録を更新した。男子グレコローマンスタイル66キロ級は音泉秀幸(ALSOK)が初の頂点に立った。最優秀選手に贈られる天皇杯は伊調が獲得した。

 12年間も世界に君臨した55キロ級で闘うのは、今回が最後かもしれない。一時代を築いた吉田は「最後の55キロ級の優勝を守りたい一心。失敗は許されなかった」と言うように、決勝は硬い動きで苦戦した。

 返し技が得意な10歳年下の浜田を警戒し、必殺のタックルが出ない。バックに回って小刻みに加点。第2ピリオド中盤では背後に回られそうなピンチを何とかしのいだ。「若い子たちは伸びるしかない。私は体力面や気持ちも含めて難しい」と大きく息をついた。

 絶対的な女王も31歳。大会10日前まで腰や背中に張りがあり「試合が来るたびにきつくなってきたけど、勝っている間はやめられない。若い子との我慢比べかな」と珍しく弱音が出た。

 レスリングの五輪競技存続や東京五輪招致活動に尽力した、慌ただしい1年だった。来年からの階級変更では「ずっと53キロ級で挑戦する」と明言。追われるつらさも背負いながら、新たなステージへと向かう。

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