実は私が104号室の出世第1号

 今年からデイリースポーツの評論家に復帰した横山です。今回から月に一度、広島版でこのコラムを担当します。現役時代の思い出やコーチ経験を踏まえた話など、多岐にわたりお伝えできればと考えています。

 7日に、新人選手が大野寮に入寮しました。私が入寮したのは1995年。もう何十年も前です。当時を思い出すと、周りには知らない人ばかり。とにかく、早く新しい環境に慣れなければいけないと思っていたと記憶しています。

 私の部屋は104号室でした。当時は、ドラフト指名順に101号室から部屋が割り当てられており、1位の山内さんが101号室、2位の嶋が102号室、3位の東洋(朝山)が103号室と続いていきました。ただ、4位の建さん(高橋建)は、結婚して子どもがいたため、寮に入らなかったので、5位の私に104号室が割り当てられました。

 今、104号室は出世部屋と言われています。実は、その出世第1号が私なんです。当時、寮長だった吉田さんが、3年目に10勝を挙げた僕の活躍を見て、「104号室は出世部屋だ」と言ってくれました。私にとってはこれ以上ないぐらいの逸話です。ただ、こんな話をしても、今は誰も信じてもらえないかもしれませんが(笑)。

 入寮後は、多くの雑用が待っていました。コーチロッカーに行って、コーチの靴を磨いたり、寮で電話番をしたりと、いろいろ多かった。先輩の衣類を洗濯させられている選手もいました。正直、最初は野球どころではありませんでした。

 携帯電話がなかった時代です。高卒新人は、寮にある電話の前で、夜9時ぐらいまで交代で電話番をしていました。先輩選手にかかってきた電話を内線で部屋につなぐのが仕事です。先輩が留守の場合は、ノートに誰から何時に電話があったと書いて、先輩がわかるようにしていました。

 時代が違うので、私の新人時代と、今を比べることに意味はないと思いますが、今のルーキーは野球に専念し、集中できる環境がある。生かしてほしいと思います。

 新人合同自主トレも始まりました。自主トレとはいえ、良いところを見せようと思ってしまう部分があるかもしれませんが、勝負はキャンプが始まってから。2月1日から力を出せるように準備することが重要です。

 今月中旬には、先輩選手が加わっての合同自主トレが始まります。先輩選手のプレーを初めて目にすると、驚くことばかりのはず。3年前に新人だった赤塚(昨年限りで退団)が、青ざめていたのを覚えています。

 他の選手を気にしないというのは、難しいかもしれないけど、とにかくオーバーワークにならないように気をつけてほしい。どの選手も高い能力や良い素材を持って入団しています。何よりもケガをせず、自分のパフォーマンスを発揮することが大切です。周囲に影響されず自分の力を出し切ってほしいと思います。(デイリースポーツ評論家)

 ◇横山竜士(よこやま・りゅうじ)1976年6月11日生まれ、49歳。福井県勝山市出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。178センチ、80キロ。福井商時代は甲子園出場はなかったが、1年秋からエースとして活躍。94年度ドラフト5位で広島に入団。97年に中継ぎながらプロ初勝利を含む10勝を挙げる。先発、中継ぎ、抑えと幅広く活躍し、プロ20年目の2014年に現役引退。通算成績は507試合に登板、46勝44敗17セーブ110ホールド、防御率3・42。20年から昨季まで広島で投手コーチを務めた。

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