最強ドミニカ、無傷8連勝でWBC制覇

 「WBC決勝、ドミニカ共和国3-0プエルトリコ」(19日、米サンフランシスコ)

 野球の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は19日、サンフランシスコで決勝を行い、ドミニカ共和国(2次ラウンド2組1位)が3‐0でプエルトリコ(同2位)を破り、1次ラウンドから8戦全勝の無敗で初優勝を果たした。最優秀選手(MVP)には、今大会2本塁打を放つなどドミニカ共和国の打線をけん引したカノ(ヤンキース)が選ばれた。

 虹色の紙ふぶきの中で雄叫びを上げた。前回大会の1次敗退の屈辱を晴らす史上初の完全優勝。1番打者のレイエス(ブルージェイズ)は「この瞬間を長く待ちわびたドミニカ共和国すべての人々にこの勝利を捧げたい」と胸を張った。米国以外では最も多く大リーガーを輩出している野球大国が世界初制覇の喜びに浸った。

 メジャーの主力級をそろえた打線がいきなり爆発した。初回。レイエスが右翼フェンス直撃二塁打で攻撃の口火を切った。一死一、三塁から4番エンカーナシオン(ブルージェイズ)の中越え二塁打で2点を先制。五回にはアイバー(エンゼルス)が適時二塁打で加点した。強力中継ぎ陣にとって十分すぎる3点だった。

 試合後の会見場。携帯電話を手にしながら姿を見せたのはペーニャ監督だった。メディーナ大統領からの祝福電話。会見に同席したカノ、レイエス、ロドニーが緊張の面持ちで言葉を交わした。

 個性派集団をまとめ上げたペーニャ監督は言った。「私は何もしていない。唯一したことは選手に方向性を示すことだけだった」。2次ラウンドで米国を撃破した時に涙した熱血漢。顔を紅潮させながら信じることの大切さを説いた。

 ロドニーが前日に続いてベンチに持ち込んだバナナを話題にするなど、笑いの絶えなかった会見。選手たちは口をそろえて「この日のことは一生、忘れない」と言った。

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