マエケン侍20番!北別府魂で世界に挑む

 WBC日本代表候補の背番号が30日、NPBから発表され、広島・前田健太投手(24)は20に決まった。広島で背番号「20」といえば、通算213勝を挙げ、野球殿堂入りを果たした北別府学氏(55)が背負っていた番号。前田健は“広島魂”を受け継ぎ世界に挑むことを誓った。

 鯉戦士としての自負と誇りを背番号20に込めた。「カープ代表として戦う」。前田健は力強く言い切った。

 侍ジャパン候補の中では杉内(巨人)、涌井(西武)、田中(楽天)、前田健の4投手が、所属球団で背番号18を背負っている。ただ一つしかない侍ジャパンのエースナンバーは、最年長の杉内に内定していた。

 前田健は、さまざまな選択肢の中から「20」を選んだ。「せっかくならカープのいい番号にしようと思った。18がないなら20だなと。18もそうだけど、20はカープのエース番号ですから」。思い描くエースとは、北別府学氏だ。

 北別府氏は抜群の制球力から「精密機械」の異名をとり、通算213勝。チームを5度のリーグ優勝と3度の日本一に導き、昨年には野球殿堂入りを果たした。大エースの背番号を背負い、“広島魂”を継承する。マエケンに迷いはなかった。

 2月15日から始まる日本代表候補合宿で、最終メンバー28人が決まる。最初のハードルをクリアすれば、プロで初めて国際舞台を経験することができる。各国の代表には、大リーグで活躍する選手もいる。「メジャーの選手と対戦できる機会は少ないので楽しみ。肌で(すごさを)体感してみたい」と目を輝かせた。

 10日から2週間、米ハワイで、初めての海外自主トレを行った。専属トレーナーのもとで、体幹を中心に鍛えた。WBCを見据え、肩の仕上がりも例年に比べてハイペース。すでに約80メートルの遠投を行っている。キャンプ初日にブルペンで投げられる状態だ。2月17日に行われる侍ジャパンと広島の強化試合では、日本代表相手に先発するプランがあり、それを目標に調整を進める。

 この日はキャンプに向けた荷物出しのため、マツダスタジアムを訪れた。「(キャンプでは)久しぶりに活気のある中で練習できる」と声を弾ませた。カープ代表、そして日本代表として、世界を驚かせるための準備をする。

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