愛媛・佐藤「やり切った」野球人生に幕 かけがえのない経験を得た2年間 

 【愛媛・佐藤秀平捕手】文=高田博史

 「とても濃い2年間だった」と、佐藤秀平は言う。

 1年目は試合に出られない日々が続き、悔しい思いを募らせた。2年目が始まるとき、立てた目標がある。

 「まず、ケガしないこと。ケガしたら試合に出られない。それは最優先に考えてましたね。『1年間、ケガしない』が最低限の目標」

 2年目になり、正捕手として試合に出続けるなか、疲労がたまる。ヒジを痛めたのは初めてのことだった。

 「これ、終わったかなって思うときもありましたね。テーピングでグルグル巻きにして、試合前から温めて」

 だが、アイランドリーガーとして培った経験は、かけがえのないものだ。忘れられない記憶がある。

 1年目の開幕前、三菱重工広島との練習試合(16年3月7日)で、初めて正田樹(元日本ハムほか)とバッテリーを組んだ。

 球種だけ教えてもらうと「好きなように要求していいから」と言われ、自分なりに正田をリードした。

 その後、正田が首脳陣に「佐藤と組ませて下さい」と進言する。前年まで正捕手だった河原宏誓(現巨人スタッフ)のリードと、似ていることが理由だった。

 正田とバッテリーを組み続けられたことが、自身の成長につながったと語る。

 「試合が終わったあとに、いろいろ2人で話し合ったりして。点獲られたときでも、獲られるまでの過程を大事にしたいっていう考えの人なので。正田さんは」

 1年目を終えたとき「満足した」と言えなかった。納得して野球人生を締めくくりたい。それも2年目に臨むテーマだった。いまははっきり「やり切った」と言える。第2の人生は伯父、3歳上の兄と同じ、自衛官になる道を希望している。

 厳しいときも、楽しいときもあった。アイランドリーグは、自分を成長させてくれた場所だと思う。

 「本当に感謝ですね。ダメなときも、いいときも応援してもらって。厳しい言葉のときもあったんですけど、それも含めてすべて感謝ですね。悔しいって思いは、ないです」

 野球をさせてくれた球団、最後まで応援してくれたファンに「ありがとう」の言葉を残し、愛媛を去って行った。

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