香川・クリス 8月量産で本塁打王獲得!自分の可能性信じてさらなる飛躍へ
【香川・クリス(稲垣将幸)内野手】文=高田博史
よく「自分の限界を超えろ!」と言われる。だが、自分の限界はどこにあるのか。自分の限界を勝手に決めつけてしまってはいないか。
クリスもかつて、自分の可能性を信じられなかった。だが、いまは違う。
「多分、自分のなかでどこか『もう、無理じゃないのかな?』って気持ちがあったんだと思うんですよ。でも『まだまだできるな!もっと伸びるな!』という気持ちが出て来て」
自分を信じられるきっかけとなったのは、対高知後期3回戦(8月12日、四国Cスタ丸亀)での4号逆転サヨナラ満塁本塁打である。
前期の本塁打2本から、8月に7本と量産するなど猛チャージを見せ、本塁打王を獲得した。さらにベストナイン、後期MVPにも選ばれている。
「正直なところ、今年できなければ野球やめようかと思っていたんですけど。でも、自分が思ってた以上にできたので、まだまだ成長できるんだなっていう自信につながりました」
チャンピオンシップ終了後、宮崎で行われたフェニックス・リーグでも2本の本塁打を放っている。
スカウトから「バッティング良くなったね」と声を掛けられることが増えた。だが、ドラフト指名を受けるまでには至らなかった。まだまだ足りていない。そこから来季への課題と目標が見えてくる。
「歴代の本塁打王って2桁打ってるじゃないですか。今年9本打ちましたけど、後期だけで7本なので。来年、前期でもそれぐらいの本数を打たないと」
来季も4番として、全試合に出場する。リーグ記録である年間18本塁打(09年、高知・カラバイヨが記録)を超えたい。この秋は、三塁手としても守れるよう守備を鍛えている。
「できないと思っていたことが、できるんだなって気持ちになれた。サードだってできる。成長できるぞ!ってところを見てもらいたいですね。24、25歳だからもう成長しないだろ、じゃなくて。いやいや、まだまだ成長できるんだよってところを」
来季の自分の姿が、楽しみで仕方ない。