徳島・増田「2番・二塁」に活路見出す

 【徳島・増田大輝内野手】

 レギュラーに定着してからというもの、他球団の首脳陣が増田大輝を評価し始めた。「バットコントロールがうまいよね!」「体ができてきたら面白い」そんな声があちらこちらから聞こえて来ている。

 野球人生において挫折を経験している。大学を2年で辞め、地元徳島に戻った。友人の勧めでとび職に就いて1カ月が経ったころ、高校時代のコーチから電話が入る。

 「お前、もう野球せんのか?」

 帰って来てから草野球を始めた。だが、それだけでは満足できない野球への渇望が胸に渦巻いている。仕事終わりに母校でコツコツと練習を始めたのは、それからすぐのことだ。目標はアイランドリーグのトライアウトだった。

 徳島入団後も戸惑いは続く。県人選手はほかのルーキーよりも注目度が高い。これまで経験してきたものよりも明らかに高いレベルにおいて、自分の実力は通用しないのではないか?そんな不安を隠しきれないでいた。

 簡単なゴロを捕球ミスしたある日、武藤孝司コーチ(元近鉄)に言われた言葉が心に突き刺さる。

 「『もっと1球の大事さ、1球の怖さを知れ!』と言われて。その1球に、仕事というかお金が掛かってる。それを思いながら守備をしてたら、急に守れるようになりました」

 高校時代のコーチも球場に観戦に訪れては「ゲームメークできる力があるんだから、もっと自分らしさを出せ!」とアドバイスをくれた。2番・二塁手というポジションに活路を見出し、自身の持ち味が出てき始めている。

 「ピッチャーに負担を掛けないようにリズムを作る。バッティングだったらしぶとく粘って、相手に嫌がられるような。そういうところを出して行きたいと思います」

 器用で技術があって数字も残せる。阪神・上本のような二塁手になりたい。目指すのはグラウンドの職人である。

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