【高校野球特集2】歴史に残る名将たち(1)今大会の出場監督編

99回目を迎えた夏の高校野球甲子園大会。日本の夏をさらにアツくする球児たちのドラマを演出してきた名監督たちを集めてみた。(敬称略。高校名および所在地は当時のもの。記録は17年センバツ終了時点)

公開日:2017.8.9

 夏の甲子園といえば「負けたらそこで終わり」のトーナメント。百戦錬磨の名将といえど一発勝負の地方大会を勝ち抜いてくるだけでも至難の業だ。そこで今回は、春夏通じて甲子園通算勝利数の上位で、かつ地方大会を制して今大会に出場する名将たちをご紹介!

史上最多の春夏63勝どこまで伸ばすか高嶋仁(智弁和歌山:和歌山)

佐渡を下し、甲子園通算60勝を達成し、笑顔を見せる智弁和歌山の高嶋監督

智弁(奈良)出場3回(春2夏1)7勝(春5夏2)
智弁和歌山(和歌山)出場32回(春11夏21)56勝(春21夏35)

 2校で挙げた63勝は史上最多。1972年に智弁監督に就任、80年から智弁和歌山を率いる。攻撃的なチーム作りの一方、複数投手制を用ることが多く、炎天下で投手の消耗が激しい夏に好結果を残している。3度の全国優勝のうち夏を2度制している(春は94年の1度)。今大会で33度目の優勝を果たした和歌山県大会では決勝に滅法強く、14年第96回大会で市立和歌山に敗れるまで20勝無敗を誇っていた。
 71歳。主な教え子に元近鉄・高塚、元阪神・中谷、現中日・岡田ら。

智弁和歌山“97年夏の甲子園初V戦士”元阪神・中谷コーチ擁し、22回目の夏切符

智弁和歌山、元虎戦士・中谷コーチと甲子園 愛弟子・蔵野V撃

 「高校野球和歌山大会・決勝、智弁和歌山3-2紀央館」(28日、紀三井寺運動公園野球場) 
 和歌山大会は智弁和歌山が2年ぶり22度目の夏の甲子園出場を決めた。同点の七回、4番・蔵野真隆捕手(3年)が決勝適時打を放った。今春、同校コーチに就任した元阪神でOBの中谷仁氏(38)へ恩返しの一打となった。【全文はリンク先で】

智弁和歌山、元虎戦士・中谷コーチと甲子園 愛弟子・蔵野V撃

区切りの春夏50勝に挑む四国の名将・馬淵史郎(明徳義塾:高知)

明徳・馬淵監督

明徳義塾(高知)出場30回(春13夏17)48勝(春18夏30)02年夏優勝

 春夏48勝は歴代5位。優勝こそ1度だが、出場するたび安定した成績を残しており、11年春の日大三戦で敗れるまで春夏20大会連続初戦に勝利していた(夏は15年の敦賀気比戦まで16連勝)。
 1992年の第74回大会では、2回戦で対戦した星稜(石川)の4番・松井秀喜を5打席連続で敬遠し、一度もバットを振らせることなく勝利した。試合中から場内は騒然とし、試合後も「帰れ」コールで明徳の校歌がかき消されるほどだった。この件は多くのメディアで取り上げられ、「勝利」と「教育」という高校野球の根幹にかかわるような議論が展開された。この試合がきっかけで「ヒール」イメージがついたが、一方で、高校球界屈指の「策士」とも呼ばれる。
 61歳。主な教え子に元ロッテ・寺本、現ヤクルト・森岡ら。

 愛媛県八幡浜市出身、編集Wと同郷の大先輩であります。

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