見応えあった決勝戦 智弁和歌山打線引っ張る井本君の大物ぶりと中谷監督の指導に感服

ナインに胴上げされて宙を舞う智弁和歌山・中谷仁監督(撮影・立川洋一郎)
1回、チーム初安打となる右前打を放つ智弁和歌山・井本陽太(撮影・中田匡峻)
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 「全国高校野球選手権・決勝戦、智弁和歌山4-3健大高崎」(22日、甲子園球場)

 高校野球の醍醐味(だいごみ)が詰まったような、見応えある決勝戦でした。僕は、智弁和歌山が三回までに3安打くらい打てれば軍配が上がるかもと思っていました。そうでなければ、健大高崎に苦戦するかもと。そしたら三回に長打3本で2得点。これは智弁和歌山ペースかなと思ったんですが、五回に健大高崎が1点を返して。健大高崎としてはこの流れでさらにいきたかったでしょう。でもクーリングタイムのインターバルがあり、智弁和歌山は六回から投手を和気匠太くんに交代。流れを渡したくない智弁和歌山と、奪いたい健大高崎の間で試合の波が何度も行き来して、レベルの高さを感じました。

 そんな智弁和歌山打線を引っ張った2年生の井本陽太くんは、今大会打率・611と大当たりでした。彼は全試合で第1打席ヒットを打っています。仙台育英の古川諒弥くんや横浜の織田翔希君ら好投手との対戦で、チームとしても「打てるかな?」となるところを必ず井本くんが最初の打席で打って、弾みをつけているんです。

 以前、智弁和歌山グラウンドへ練習を見せてもらいに行ったときのことです。中谷仁監督と話していたら、当時入学間もない井本くんがやってきて「かみじょうさん、一緒に写真撮ってください!」とペコリ。さらに、中谷監督に「お願いします!」とカメラマン役を頼むという、大物ぶりを発揮していました。

 さすがに僕の方が恐縮して「いやいや、監督に頼まんでも…」と止めようとしたんですが、監督もニコニコして撮ってくれて。「かみじょうさん、あんなやつ普通いないでしょ。でもあいつのああいうところが、いざというときにチームを助けてくれるような気がするんです」とおっしゃっていました。

 頭ごなしに規制するのではなく、選手一人一人の性格を見てタイプ別に個性を伸ばしていく指導が垣間見えました。試合でも腹を据えて、失敗したら監督の責任でいいから暴れてきなさい、という名将感があふれていました。

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