履正社を食で支え続ける居酒屋 甲子園Vの影にあった「地域との結び付き」

 今、豊中市ではスタンプラリーのイベントを実施してるんです。先日、それを紹介するロケをやってると、ちょうど履正社高校の前を通るタイミングがあったんですよ。

 学校には、これでもかというぐらい大きな「優勝おめでとう」の横断幕があって。やっぱりすごいよなあ…そう言いながら歩いてると、ちょうど学校から100メートルぐらいの場所ですかね。居酒屋さんがあったんです。入ってみると、昔から履正社の野球部とかで下宿している生徒に、食事を提供しているお店でした。

 名前は「三太」という居酒屋さんです。そこのお店のお母さん、直和子さんという方ですが、息子さんが履正社の野球部のキャプテンをされていて、チームに下宿生も多いこともあって「ご飯とかそういうことをやったって」と頼まれたことがきっかけで、阪神の坂本誠志郎君の代から始まったそうで。

 日本一になってからも選手が来たらしく、「同じメニュー作ってもらえますか?」と頼むと、カツ丼とうどんと冷ややっこのセットを出してもらいましたが、これがすごくて(笑)カツ丼の量もすごい上に、うどんもミニではなく大サイズでご飯のおかわりも無料。そのカツ丼は普通なら850円ぐらいなんで、うどんと合わせれば軽く1000円を超えるセットでしたが、履正社の生徒のためにワンコインの500円で提供されていて、しかも美味しい。何の文句も出ないですよね。

 お母さんに「やっていてうれしいことありますか?」と聞いたら、まずはこの前の全国優勝の話になりました。普通の居酒屋さんということで、履正社の部員とは関係ない常連さんもいらっしゃるんですが、野球部を応援していてわざわざ日本一の「ご祝儀」をくださる方もいたりとか。「さすがにこれは使われへん」とお店に飾られてましたが。

 他に言われていたのは生徒との関係性ですね。入学したての1年生とかは好き嫌いがあるみたいですが、「何でも食べなあかんよ」と言ったり、魚のきれいな食べ方も教えたりするそうなんです。そうして、生徒がたまに実家に帰った時に、好き嫌いもなく魚もきれいに食べたりするわけですよ。ご両親がすごく喜ばれるそうで、卒業の時には「うちの息子にそうやって指導までしてもらって」とお礼を言ってもらえたりするのがうれしいと。

 あとは生徒が卒業してからもお店に食べに来て、改めて感謝してくれることも多いみたいです。高校を卒業して、いろいろな場所で外食する機会も増えることで、あれだけの量と内容のご飯を、普通は500円では食べられない、すごくありがたいことをしてもらっていたことに気付くそうですね。坂本君なんかは阪神に入ってからもたまに顔を出してくれるそうです。

 そうやって下宿生を支えられてるわけですが、甲子園での選手のプレーだけでなく、地域との結び付きというのも全国制覇の力になったんやなと感じましたね。

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 かみじょうたけし(本名・上条剛志)1977年12月31日生まれ。兵庫県淡路島出身。龍谷大卒。血液型A型。身長170cm、体重50kg。高校野球大好き芸人として知られる。趣味・特技は競輪予想、モノマネ。

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