【選手権100回大会企画24】三重の高校野球

 三重県勢は出場回数こそ三重(12回)、海星(11回)が多いが、混戦が続いている。その中で、四日市が県勢として唯一、頂点に立った。

 1955年の第37回大会。2回戦で芦別を破って県勢として初勝利を挙げると、エースの高橋正勝投手(元巨人)を中心に頂点へ駆け上がった。

 86年の第68回大会では明野が聖地を沸かせた。1回戦で同年センバツを制した池田と対戦し、10安打に4犠打を交えて7-2で快勝。2回戦は前年に旋風を巻き起こした甲西を2本塁打で下して、県勢として18年ぶりの夏2勝を挙げた。

 海星も89年の第71回大会で、同校初の夏2勝を挙げた。2回戦は同じ校名の長崎・海星と、17年ぶり2度目の対戦で10-2で大勝。72年に敗れた借りを返した。

 四日市工は初出場した91年の第73回大会で、インパクトを残した。同年センバツ準V・松商学園との3回戦。左腕エース・井手元健一朗(元中日など)が、上田佳範(元中日など)との壮絶な投手戦を繰り広げた。3-3のまま延長十六回へ。不運にも井手元が投じた232球目が、上田へのサヨナラ押し出し死球となって敗れた。

 三重県勢は55年に優勝した四日市以降、4強以上に進出できていなかった。97年から2013年までは3回戦に進出できず、その間の代表校の通算勝利は2勝にとどまった。

 07年の第89回大会2回戦では、宇治山田商がのちに同大会を制する佐賀北と延長15回で引き分け。再試合で敗れている。

 三重が苦しい流れを変えた。14年の第96回大会。1回戦・広陵戦で2点を追う九回2死に佐田泰輝が同点打を放つと、延長十一回にサヨナラ四球で強豪を下した。

 この勝利で勢いづくと、県勢として59年ぶりの決勝へ進出。決勝・大阪桐蔭戦は二回に先制し、同点の五回にも勝ち越したが、七回に逆転を許して3-4の惜敗で準優勝に終わった。

 また、宇治山田は、山田中時代に1915年の第1回大会に出場しているが、2回大会以降の出場がない。

 ◆三重県勢の夏の甲子園アラカルト

【出場回数ベスト5】

1位・三重12回

2位・海星11回

3位・明野5回

4位・相可、四日市工、宇治山田商3回

【勝利数ベスト5】

1位・三重12勝

2位・海星7勝

3位・四日市4勝

4位・いなべ総合、相可、明野2勝

【最高成績】優勝・四日市(1955年)

【通算成績】

89試合

33勝55敗1分

勝率・375

【主な監督】

 水谷貞雄…四日市の元監督。1955年の第37回大会で県勢唯一の優勝へ導いた。

 中田和雄男…三重の元監督。同校を春夏通算7回の甲子園へ導いてセンバツでは2回、8強へ進んだ。

 湯浅和也…海星の下監督。同校を春夏通算8回の甲子園へ導き、春2回、夏1回の8強へ進んだ。

 中村好治…日章学園、三重の元監督。三重では2014年の第94回大会で準優勝。

 ◆デイリー独断!三重の高校を卒業したプロ野球選手ベストナイン

【先発】菰野・西勇輝(オリックス)

【中継ぎ】津田学園・桑原謙太朗(阪神)

【抑え】鈴鹿・豊田清(元広島)

【捕手】相可・中西親志(元ヤクルト)

【一塁手】四日市・島田光二(元近鉄)

【二塁手】明野・広沢好輝(元阪神)

【三塁手】松阪商・鈴木正(元南海)

【遊撃手】三重・水谷新太郎(元ヤクルト)

【外野手】三重・伊藤泰憲(元南海)、宇治山田商・中井大介(巨人)、宇治山田商・江川智晃(ソフトバンク)

【指名打者】明野・大道典良(元巨人)

(ポジションはプロでの登録守備位置、所属は現役の最終所属)

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