広島ハーン来日3年目進化のワケ 「千賀グリップ」でフォーク落差UP→圧巻24H&防御率0・85 一岡竜司氏と技術を追求

 広島のテイラー・ハーン投手(31)がキャリアハイのシーズンを送っている。ここまでチームトップタイの33試合に登板し、2勝1敗、1セーブ、24ホールド、防御率0・85と圧巻の成績をマーク。13日に発表された「マイナビオールスターゲーム2026」(第1戦=28日・東京ド、第2戦=29日・富山)の監督選抜では、自身初の球宴出場も決定した。来日3年目の進化の要因は「千賀グリップ」にあった。

 自慢の剛速球で相手打者をねじ伏せ、クールにマウンドを降りる。今季のハーンはひと味違う。昨季は安定感を欠く場面もあったが、今季は防御率0点台と無双状態を維持。リーグ屈指のセットアッパーへと変貌を遂げている。

 昨季からの一番の進化は、「フォークがよく落ちてくれているね」と分析する。昨季途中から握り方の試行錯誤を重ね、昨オフには他選手の握り方も動画で研究。その末にたどり着いたのが「千賀グリップ」だった。これまではスプリットのような浅い握りだったが、米大リーグのメッツで活躍する千賀滉大のように深く挟むことで落ち幅が劇的に増加。メジャーリーガーたちも恐れる“お化けフォーク”を参考に、新たな武器を手に入れた。

 フォークの改良に成功したことで、投球の幅が広がった。昨季まで変化球はスライダーを中心にした横の変化を軸としていたが、フォークの落差が増したことで、縦の変化を追加。本人も「上下の幅が使えている」と手応えを語るように、今季最速159キロを誇る自慢の剛速球とスライダーに新兵器が加わったことで、マウンド上での支配力が高まっている。

 勉強熱心な一面も進化を支える。データ分析を担当する一岡竜司アナリストは「ただ落ち幅が増えただけで抑えられるわけではない。重要なのはいかに直球と見分けにくくするか」と指摘する。ハーンとは月1回ほどのペースでデータのフィードバックを重ね、そのたびに投球フォームをチェック。打者が球種を見極める基準とされる、投手の手からボールが離れる瞬間の発射角度を直球とそろえる技術を追求。数センチ単位の繊細な調整が安定感を生み出している。

 指標でも無双ぶりを証明している。1未満で極めて優秀とされるWHIP(1イニング当たりの被安打数+与四死球数)は昨季の1・39から0・88に改善。奪三振率においても昨季の9・53から11・37に跳ね上がっている。走者を許さず三振を奪う、理想的な投球内容を続けている。

 13日には監督選抜で3年目にして初の球宴出場が決まった。「非常に光栄。何もかもが初めてなので、ワクワクしている」と胸を躍らせるハーン。頼もしい助っ人左腕がカープブルペン陣の大黒柱として、フル回転し続ける。

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