広島・名原 汚名返上プロ1号「よっしゃ!」力強くガッツポーズ シンデレラボーイ継続!本拠地初安打はタイムリー
「広島4-5ロッテ」(27日、マツダスタジアム)
広島・名原典彦外野手(25)がプロ初本塁打を含む2安打2打点の活躍を見せた。三回に本拠地初安打となる中前適時打をマークすると、八回には左翼席へプロ初アーチ。前日の守備でミスを犯し、涙を流した男がバットで汚名を返上した。チームは2夜連続の逆転負けで2014年以来、12年ぶりの交流戦連敗スタートとなった。
悔しさをバットに乗せて振り抜いた。白球が左翼席に飛び込むと、名原は「よっしゃ!」と叫びながら、力強くガッツポーズ。気合と根性で突き進んできた男のプロ初アーチに、マツダからは、この日一番の大歓声が送られた。記念すべき一打を「どうにか雰囲気を変えたかった」と笑顔で振り返った。
2点を追う八回1死で迎えた第4打席。鈴木の初球138キロのツーシームを完璧に捉えた。打球は低い弾道で左翼席に着弾。「必死にやっていたのであまり覚えてない」と、興奮気味にダイヤモンドを一周しながら、何度も拳を握った。
1点リードで迎えた三回2死二塁では、相手先発の毛利に対し、カウント1-2から低めのチェンジアップを拾うように、バットを合わせた。打球は中前で弾み、二走が生還。本拠地初安打となる適時打に「追加点につながるヒットになって良かった」とうなずいた。
悔しさを胸に刻んで臨んだ一戦だった。前日26日の試合の八回2死二、三塁。右翼線への飛球に対して打球判断を誤り、決勝点を献上。記録は適時打だったものの「(野球人生で)一番悔しい」と、ベンチでは目に涙を浮かべながら反省した。一夜明け、結果で汚名を返上。「自分のミスでチームに迷惑をかけてしまったので、何とか取り返してやろうと。引きずっていたらプロじゃない。僕はとにかく次なんで」と、決して折れることのない強靱(きょうじん)なメンタルで乗り越えた。
毎年、秋を迎えるのが怖かった。戦力外通告の時期が近づくと「俺、やばいかも」と周囲に漏らすこともあったという。それでも諦めず、育成4年目でつかみ取った2桁の背番号。支配下契約が発表された今月21日の午前中、大野練習場からマツダに向かうタクシーに乗り込む前には「マツダに行ってきます!」と大きな声で叫んだ。夢の舞台で過ごす時間を、一瞬たりとも無駄にはしない。
チームは敗れたが、デビューから5試合で4度目のマルチ安打と“シンデレラボーイ”の勢いは止まらない。「色気を出しても打てない。明日はより一層、気合と根性を意識して必死にやります」と名原。育成からはい上がってきた不屈の男が、新井カープの希望の星となる。
