【横山竜士氏の眼】持ち球全てを自在に操った広島・栗林 プロ初先発わずか95球で初完封のわけ
「広島1-0中日」(29日、マツダスタジアム)
6年目でプロ初先発の広島・栗林良吏投手が1安打無四死球、9奪三振で初完封を果たした。七回まで走者を許さない圧巻の投球でわずか95球、打者28人で勝利した。デイリースポーツ評論家の横山竜士氏がリリーフから先発転向初戦で快挙を成し遂げた理由を解説した。
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栗林は文句のつけようがない素晴らしい投球だった。序盤は緊張感もあるので難しい立ち上がりだったと思うが、回を追うごとに気持ち、体、頭の中がかみ合って、持ち球全てを自在に操って投げることができた。
短いイニングを投げるリリーフ投手は、その日の調子がそのまま投球に出てしまう。しかし、先発は球数を多く投げられるので、その日のボールの状態だったり、打者の反応を見ながら投球を修正していける。この日の栗林はそういうところをうまく生かしてイニングを重ねていった。
武器のフォークもカウントを取ったり、勝負球にしたりと、いろんな場面で、まるでチェンジアップを投げるかのようにストライクゾーンにどんどん投げ込んでいった。抑えの時はフォークは決め球として低く低くという意識が強く、それが逆に力みにつながり、引っかかったり、高めに浮いたりして痛打を浴びるシーンがあったが、そういう変な力みもなく、伸び伸びと投げていた。抑えの時はあまり使わなかったカーブも随所に織り交ぜて効果的だった。
プロ初先発でこれ以上ない順調なスタートを切った。次は中6日での登板となるが、その間の過ごし方もまた大事になってくる。疲労の具合や自分のコンディションとうまく付き合いながら、次もいい状態に仕上げていってもらいたい。





