広島・中村奨成 「本当にあの声かけがなければ、終わっていた」飛躍の裏に福地2軍コーチとの打撃改造 今季へ「怖くない。楽しみ」

 今季の目標を記す中村奨(撮影・市尻達拡)
 新春インタビューに答える中村奨成
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 真のレギュラーへ-。広島の中村奨成外野手(26)がデイリースポーツの新春インタビューに応じた。昨季はキャリアハイを大きく更新する104試合に出場。ようやく殻を破ったかつてのドラ1は「本当の意味で勝負の年」と位置づける26年シーズンの目標とともに、家族の存在や昨季の転機、さらには野球人生全体を俯瞰(ふかん)して、お正月にふさわしい大きな夢を語った。

  ◇  ◇

 -昨年春先には結婚もした。野球にはどんな影響があった?

 「家族のためにやらないといけないと思いました。独り身ではないし、守るものができたので。ちょうど(打撃)フォームを変えて、1軍に上がってまだ試合に出ていないタイミングでの結婚だったので、『このままじゃいけないな』と。そういう気持ちにさせてくれたのは妻ですし、本当に家族の存在が試合に出てない時から、やる気にさせてくれたと思いますね」

 -先行き不透明な状況で結婚するのは勇気がいることだったのでは?

 「妻がどういう思いだったかは知らないですけど、結果が出ていないことは知っていましたし、中途半端だった選手と結婚するというのは、妻の方が勇気が必要だったと思います。それでもついてきてくれた妻には感謝していますし、それで1年間1軍に帯同できた。それは妻のおかげでもありますし、本当に大きな存在ですよね」

 -どこで存在の大きさを感じた?

 「打てなくて帰ってきた日でもなにも変わらずに家で待っていてくれますし、いい時も悪い時も一番身近な存在ですよね。そういうところが一番支えになっていると思います」

 -昨年飛躍した転機はなんだったのか。

 「やっぱりフォームをガラッと変えたことかなと。3月のオープン戦で全く打てなくて、開幕前に2軍落とされて、キャンプで教えてもらったことをなんとか落とし込もうとして、練習から取り組んで、それもうまくいかなかった。『あ~ぁ』って。半分諦めモードでした」

 (続けて)

 「その時に声をかけてくれたのが福地打撃コーチでした。思っていることを話して、福地さんから『フォームを変えるぞ』と。失うものはなにもなかったですし、ダメなら腹くくって辞めようと思っていたので。それが逆に良い方向に出てくれたので、本当にあの声かけがなければ、終わっていたと思う。2軍でも打ててなかったし。本当に福地コーチには感謝しています」

 -昨年結果が出なければプロ野球選手として終わるという思いがあった。

 「本当にそう思っていました。それまで1軍でずっと1割台、2軍で打てても1軍で打てなければチームには必要ないとなってしまうので。プロ野球は2軍で活躍するものではない。1軍で活躍してチームのためにできる選手が必要とされるわけで、いくら2軍で打っても1軍で戦力にならなかったら意味がない。そういった意味では1軍で結果が出てなかったので、もう腹をくくってやるしかないと思っていました」

 -2025年で大きく人生が変わった。

 「変わりましたよ!」

 -今年が外野に本格転向して3年目になる。捕手への未練は?

 「ないです。というより無理です。今いる捕手陣に3年のブランクがあって挑むのは。そんな甘いポジションではない。投手とまた信頼関係もつくらないといけない、リードも覚えないといけない。リードやゲームをつくっていく難しさはプロに入って身をもって経験しているので、知っているからもう挑戦はできないです。難しいですよ、キャッチャーは」

 -外野手としては今年、定位置奪取を目指す若手からターゲットにされると思うが。

 「年齢が下の選手がたくさんいますが、僕の中でチームの外野手の1番手って秋山さんだと思っていたので。僕はもう昨年できなかったら本当に終わると思って1年をスタートさせて、その中で年齢が近い選手を見ても、バンッといけないなと思ったので、自分の中での超えていかないといけない存在って秋山さんだと思っていました。僕の頭の中には常に秋山さんがいたんです。昨年1年はその思いだけを持ってやっていたので、正直、他の選手は見ていませんでした」

 (続けて)

 「もちろん大盛さんが交流戦で活躍されていた時も『あ~』と思いましたけど、その中でもやっぱり秋山さんを超えていかないといけないと勝手に思っていたので、すごくいい刺激になったと言いますか…。昨年1年、できたのは本当に秋山さんのおかげだなと感じています」

 -1番打者への思いも言葉の端々から強く感じる。

 「やっぱり楽しいですよね、1番って。1打席目から打てたら、あとの打者もつながってくるし、僕が打たなかったら、あとの打者も打てないことが多々あったので、1番というのは試合を左右する打順だなというのは昨年すごく感じましたね」

 -責任重大。

 「他球団を見れば、(阪神の)近本さんがあれだけ四球を取って、盗塁もすれば勝手に得点圏が生まれていたので、理想はああいう1番打者。塁に出られるし、盗塁もできれば、安打が二塁打と同等になる。阪神が強いのはそこかなと感じました。ウチもメンツはすごい。そういう人たちに良いところで回せるように今年はやっていきたいなと思っています」

 -今年は実質1軍2年目。相手も研究してくる。

 「楽しみです!」

 -怖さはないのか。

 「全然怖くない。めちゃめちゃ楽しみなんですよ。どんな攻めをしてくるのか。昨年、自分が打っている球のデータは他球団も全部見ることができる。簡単にその裏を突いてきたら安直だし。これ、楽しいじゃないですか。そういうの考えるのが。今までなかった感覚だから」

 -感覚や直感を頼りに打撃をしているタイプかと思っていた。

 「感覚派ですよ。自分の中でこういうふうに打ちにいってというのはありますけど、それだけでは厳しいと昨年感じましたから。勉強しましたよ。スコアラーさんもいるから、相手の傾向は教えてくれるし、映像も見てすり合わせていって…。本当にスコアラーさんあっての昨年の成績だとも思っています。その中で相手も研究してくると思うので、そこをまた考えて、スコアラーさんにアドバイスをもらいながらやるっていうのは、本当に楽しみです。ワクワクします!」

 ◆中村 奨成(なかむら・しょうせい)1999年6月6日生まれ、26歳。広島県出身。181センチ、86キロ。右投げ右打ち。外野手。広陵から17年度ドラフト1位で広島入団。プロ初出場は20年7月26日・DeNA戦。25年は自己最多の104試合に出場して打率.282、9本塁打、33打点。

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