広島 今季限り退団の田中&松山に特別舞台 新井監督「広輔はスタメン、松山は代打で考えています」4日最終戦

 松田元オーナーに、退団のあいさつに向かう田中(手前)と松山(撮影・市尻達拡)
 松田元オーナーに、退団のあいさつに向かう田中と松山(撮影・市尻達拡)
 新井監督らと話をする、退団をする高橋2軍投手コーチ(左)と横山2軍投手コーチ(右から2人目)=撮影・市尻達拡
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 今季限りでの退団が発表されている広島の田中広輔内野手(36)と松山竜平外野手(40)がシーズン最終戦の4日・ヤクルト戦(マツダ)に出場することが2日、決定した。新井貴浩監督(48)が2人の昇格を明言。2016年からのリーグ3連覇に大きく貢献した功労者に特別な舞台が用意された。

 それだけの貢献をしてきて、それだけ愛されてきた。この舞台は広島で2人が歩んできた道をたたえるものだ。田中、松山が球団と来季の契約を結ばないことが発表されてから一夜。新井監督は「広輔はスタメンで。松山は代打で考えています」と明らかにし、最終戦に出場させる意向を示した。

 さっそく2人はこの日、マツダスタジアムを訪れ、松田オーナーの元に退団のあいさつへ行った後、野球道具をロッカールームに運び入れた。田中は「応援してくださる方、僕の家族とか両親のためにも、もう一度気を引き締めて出るからにはいいパフォーマンスを見せたい」と気合。松山は「1打席かもしれないけど、18年間お世話になったので、いい姿を見せられれば」と意気込んだ。

 ともに16~18年のリーグ3連覇に大きく貢献し、自らの立場を確立。ベテランの域に入っても存在感を示し続けていたが、世代交代の波にあらがうことは難しく、今季、田中は1軍で14試合の出場にとどまり、松山は1度も昇格の機会がないまま、退団の流れとなった。

 それでもまだ野球への情熱は衰えてはおらず、2人は現役続行を希望している。9月で40歳になった松山は「ヒット、ホームランが一番いいかもしれないけど、しっかり自分のスイングをして、『まだできる』というところを見せられたらそれでいい」と最終戦へ闘志を燃やした。

 田中は「散々やってきて、しんどかったところもある。僕の中では1軍でやることはないと思って覚悟を決めてやっていた」と正直な思いを吐露した。その中で与えられた1軍の舞台。今は気持ちを入れ直し、「少なからずチームが勝つために、チームを良くしようとやってきたことが評価された証しの一つなのかな」と胸を張った。

 新井監督は「彼らがいなかったら優勝もなかったと思うし、自分も現役時代、一緒にやっているし、たくさんの思い出もある。カープのユニホームを着てプレーするのは最後になるから、ファンの方に一目見ていただきたい」と親心をにじませた。時代を彩った鯉の人気者がチームを去る。今季最終戦はそんな2人に感謝を伝え、背中を押す場になる。

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