広島・常広 343日ぶりプロ2勝 今季初登板初先発で連敗止めた4位再浮上導いた「勝ててよかった」 野村コーチの下で修正

 「広島5-4中日」(24日、マツダスタジアム)

 広島の常広羽也斗投手(23)が今季初登板初先発で六回途中3失点の好投で今季初勝利。昨年9月15日のDeNA戦以来、343日ぶりのプロ2勝目をマークした。五回まで中日打線を2安打に封じる圧巻の投球。六回に3ランを浴びて降板したが、リリーフ陣がリードを守り切った。チームは連敗を2で止め、4位に再浮上。上位進出を狙う中、大きなピースが加わった。

 苦しんだ日々が無駄ではなかったことを証明した。ようやくつかんだプロ2勝目に喜びは控えめ。それでも1軍で勝てたことが何よりも大きな収穫だ。お立ち台に上がった常広は「反省はあるけどチームが勝ててよかったです」とポーカーフェースを少しだけ崩した。

 立ち上がりから自慢の直球で押した。「思ったよりも周りを見られて、ストライク先行でいけた」と最速は149キロを計測。抜け気味だった変化球も修正し、五回まで2安打、5奪三振とテンポよく竜打線を片付けた。

 快調に飛ばしていただけに悔やまれるのが六回の失投だ。1死一、二塁からブライトに144キロの直球を中越えに運ばれる3号3ランを被弾。「投げきりたかった」とイニング途中での降板を反省し、「これからイニングを伸ばせるように」とリベンジを誓った。

 開幕前には侍ジャパンの強化試合に招集されるなど、大きな飛躍が期待された今季だったが、開幕から2軍暮らしが続いた。ウエスタンで喫した10敗という数字が苦闘の証し。7月には体調不良で約1カ月間離脱し、一時は2軍でも、リハビリ組の3軍でもない“2・5軍”という曖昧な立ち位置にいたことも。「今、僕ってどこで何してるんですかね…」と自嘲気味に漏らすこともあった。

 それでもマウンドに上がれば試行錯誤を繰り返し、最善を尽くすことだけを心がけてきた。「1軍で活躍して初めて今やっている取り組みが正解だったと分かる」と右腕。7月下旬には野村3軍投手コーチ兼アナリストが行う“野村塾”に入塾。ブルペンで1球ずつフォームの良しあしを伝えてもらい修正に励んだ。

 かつての同僚の復活も刺激になった。青学大の同期で昨年4月にトミー・ジョン手術を受けた阪神・下村が17日にプロ入り後初のシート打撃に登板。「たまにあっちから連絡がくるぐらい」と頻繁にやりとりはしていないが、現状はもちろん把握している。「頑張ってほしいです」と笑顔でエールを送った。

 上位進出を諦めていないチームは連敗を止め、4位に再浮上。森下が離脱した先発陣に、頼もしいピースが加わった。「与えられたチャンスをものにできるようにしっかり投げていきたい」と常広。巻き返しを狙う若鯉がチームを再加速させる。

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