広島 1番に大砲・末包起用の奇策も止まらない…35イニング連続0行進 延長12回スコアレスドロー

 ベンチで戦況を見守る新井監督(右)=撮影・開出牧
 10回、見逃し三振に倒れた未包(撮影・開出牧)
 2回、見逃し三振に倒れた矢野(撮影・開出牧)
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 「巨人0-0広島」(5日、東京ドーム)

 誰か重い扉をこじ開けてくれ。広島が今季4度目の引き分けとなった。両軍スコアレスで投手陣の奮闘や野手陣の好守が光ったものの、打線は35回連続無得点。現状を打開するべく、1番に大砲・末包を起用する奇策に打って出たが、本塁が遠かった。新井貴浩監督(48)は熱戦を終えて、ベンチ裏へと姿を見せると、大きく息を吐いた。

 試合開始前のスタメン発表時、「1番・ライト・末包」がアナウンスされると、左翼席の鯉党はざわついた。ゼロ行進を止めるべく新井監督は動いた。末包をプロ入り後初となる1番で起用。その意図を「いろいろ考えたがスエ(末包)を1番で、奨成が2番にいる方が作戦の幅が広がる。スエもうちのメンバーの中では出塁率が高い方なので。そういうところを加味して1番に置いた」と説明した。

 結果として大胆な打線組み替えは実を結ばなかった。三回は1死から末包が四球で出塁後、次打者・中村奨のところでエンドランを敢行した。「得点がなかなかできない中で、こちら側がリスクを覚悟して何か動かしていかないと。打ち待ちでも厳しいと思うので」と指揮官。現状打開へ攻め手を打ったが、中村奨はグリフィンの変化球にバットが空を切り、二盗を試みた末包は盗塁死に終わって得点には至らなかった。

 その後、中村奨が三塁打を放つなどして、2死一、三塁の好機を迎えたが、今季初めて4番に座った小園が遊飛に倒れて無得点。その後も“あと1本”が生まれずにゲームセットとなった。

 末包は開幕からポイントゲッターとしての役割を担ってきたが、1日・ヤクルト戦では2番起用されるなど、チャンスメークが求められ始めた。役割が変化している中で、最終的にこの日は4打数無安打となり、「流れを持ってこられるような打席にしたかった。それができなかった」と肩を落とした。

 これでチームは2日・ヤクルト戦(マツダ)の四回から35回連続無得点でリーグ戦再開後は8戦連続で2得点以下。試合前の時点でのチーム打率・245は阪神と並んでリーグ1位タイだったが、得点がついてこないもどかしい展開を抜け出せずにいる。

 朝山打撃コーチは今後の打順について、「いい人間がいれば固定できるけど、そうじゃない」とチームを見渡し、「誰が合うかとか考えながらやっていきたい」と模索を続けていく方針を示した。今後も現状を打開するべく、試行錯誤は続いていく。

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