広島 竜の奇襲「重盗」阻んでゲームセット!ハーン&石原バッテリー間で危機感共有 5・1中日VS阪神戦を踏まえ事前準備
「中日1-2広島」(28日、バンテリンドーム)
竜の奇襲を冷静に防ぎ切った。2-1と1点リードの九回2死一、三塁。広島のマウンドにはハーン。捕手は石原が、この回から出場していた。打席には2安打と好調の山本。中日はカウント2-2から重盗を仕掛けるも、三走・尾田が本塁憤死。井上監督はリプレー検証を要求したが、判定は覆らなかった。球場全体にどよめきを残したまま、試合が終わった。
ハーンが5球目を投げようとセットポジションに入ると、一走・上林がスタートを切った後につまずき、意図的に挟まれる動きをした。左腕は「まず一塁走者が動いたのが見えたので、冷静にプレートを外した」とボークを回避。「その後、三塁を見たら(三走が)スタートを切っていたので、冷静に送球した」と一連の動きを明かした。
いち早く尾田のスタートに気付いた石原はマスクを取って声を出し、ハーンに本塁送球を要求。「テイラー(ハーン)がいいところに投げてくれた」とたたえたが、伏線はあった。
5月1日の阪神戦。中日は同点の五回2死一、三塁から一走・上林がスタート。捕手が二塁へ送球したのを確認すると一、二塁間で意図的に挟まれ、阪神が挟殺プレーに手間取る間に三走・岡林がホームインしていた。
この事例も踏まえ、中日が本盗を仕掛けてくる可能性をバッテリー間で共有していた。石原は「(重盗は)頭に入っていた。うまく(ハーンが)反応してくれた。常々ピッチャーに感謝です」とひと息ついた。もし、ハーンが慌てて一塁に送球していれば、結末は違っていたかもしれない。
新井監督も「テイラーもコイシ(石原)も冷静だった」と称賛した。手に汗握る最終回の攻防で、チームとして共有した事前準備が光った。





