広島・森下ほえた 4・18以来4勝目!今季最多125球の熱投 借金危機救う8回2失点「やっぱりうれしいですね」
「広島3-2西武」(6日、マツダスタジアム)
やっと勝ったー!!広島・森下暢仁投手(27)が今季自己最多となる125球を投げ抜く8回7安打2失点の熱投で4勝目を挙げた。自身7試合ぶりの勝利。苦しんでいた今年の開幕投手に勝ちをつけるため攻撃陣も一致団結して、劣勢をはね返した。チームは再び貯金1。勝率で巨人を上回り、3位に浮上した。
力の限りほえた。マウンド上ではポーカーフェースを貫く森下が今季初めて感情を爆発させた。2-2の八回2死一、二塁のピンチで同い年の平沼から空振り三振を奪取。その気迫に触発されたように、その裏で勝ち越しに成功した。4月18日・阪神戦(甲子園)以来の白星に「やっぱりうれしいですね」と胸をなで下ろした。
踏ん張った先に喜びが待っていた。序盤は苦しい投球に終始。初回から四回までは毎回走者を許し、二回は先頭に四球を与えた。その後、2死一、三塁から投手・高橋を打ち取った遊撃へのゴロに仕留めたが、遊撃手・小園がファンブル。思わぬ形で先制点を献上し、すでに一塁ベンチへと歩を進めていた右腕の表情は曇った。
四回も先頭への四球から2死後に滝沢に中前適時打。「四回くらいまでずっとしんどい場面をつくってリズムをつくれていなかったので、本当に野手のみなさんに申し訳ないなと思います」と野手のミスには目を向けず、自らにベクトルを向けた。
それでも打線が四回に同点に追いつくと、右腕の気持ちにも変化があった。「同点に追いついてもらって気持ちが楽になった」。五回からは3イニング連続三者凡退。八回もピンチを無失点で切り抜けて勝利が舞い込み、「同点に追いついてくれて、うれしかったし、本当なんだろう…。勝ちがついてよかったなと思います」としみじみと語った。
今年は開幕投手を務め、ここまで全てカード頭の金曜日のマウンドに上がっている。クオリティースタートを達成できなかったのも1度だけ。試合をつくる能力は発揮しているが投げ合うのはエース級の投手で、ロースコアの展開が大前提だ。「僅差の中で粘って、自分が勝たないといけないというのは分かっている」と自覚する中で勝利に見放されていた。
それでも調整法などは変えずに己を信じ続けてつかんだ1勝。久々に上がったお立ち台ではファンに向かって、「これから暑くなりますが、カープでもっと熱くなれるように頑張ります」と宣言した。クールな大黒柱が見せた気迫からチームは再び燃えさかる。





