ストッパー剥奪?の広島・栗林に安仁屋宗八氏が助言「スライダー系の球種に頼っていてはダメ」
広島・栗林良吏投手(28)がこの2試合、ハーンと入れ替わってセットアッパーとしてマウンドに上っている。今後は“Wストッパー”としての併用となるのか。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は「相手の打順に合わせた起用が考えられる」と語る一方、直球中心の組み立てによる“復活”に期待した。
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カープは20日のヤクルト戦で継投の順番を入れ替えてセットアッパーを栗林、抑えをハーンに任せた。この形は今年2度目。それぞれ八、九回を3人で片づけ、いい形で試合を終わらせた。
今後も2人の調子を見極め、順番を戻したり替えたりしていくのだろうが、登板のタイミングは相手の打順に合わせて調節するという手もある。
たとえば八回の攻撃が右打者から始まるなら栗林-ハーンの順にする。左打者から始まるならハーンから投入するという考え。
投手から始まる場合は代打が予想されるが、おおよその見当はつくのだから前の回から準備はできるはず。臨機応変でいいんじゃないか。
昨年、右ひじにメスを入れた影響もあり今年の栗林はシーズン当初からマウンドで、どこか不安そうだった。少しでも引っ掛かった感じがすると怖くなるものだからね。
実際、直球は140キロそこそこだったし、防御率も極端に悪かった。ただ、ある程度投げたことで球速はかなり回復してきている。
投球の基本は何と言っても直球。直球の威力こそが投手の生命線だと言える。栗林に関して言えば、スライダー系のボールを覚えたあたりから、変化球中心の投球に変わってきた。
速球が自慢のハーンもスライダーに頼る投球が目立っている。
スライダーという球種が悪いわけではない。私もシュート、スライダーが持ち味の投手だった。だけど、気をつけていないと腕が横振りになり、直球が走らなくなることがある。
最近、栗林本人に「変化球が多すぎないか」と聞いたことがある。その答えは“直球が走らないから”というものだった。考え方が逆ですよ。
これは投手陣全体に言えることだが、みんな球種を増やして投球の幅を広げようとする。それ自体はいいことだが、楽をしようとしているようにも見える。変化球は簡単にストライクが取れる球でもあるが、楽をしては勝てない。これだけは言っておきたいね。
しかし、20日のヤクルト戦ではハーンも栗林も直球主体で攻めていた。それが結果につながったと思うべきだ。このことを忘れてはいけない。
少し余談になるが、ひとつだけ球団に注文がある。栗林とハーンのダブルストッパー制を採用する以上、たとえどちらかがセットアッパー役に回ったケースであっても、抑え役と同等の評価してあげてほしい。それほど難しいポジションなんですよ。





