広島・中村奨 4年ぶりV撃!試合前選手のみミーティング「気持ち入った」 「ブサイクなヒットでもいい」1番の仕事果たす

 3回、右前タイムリーを放つ中村奨(撮影・市尻達拡)
 6回、末包の左前打で本塁へ向かう
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 「広島2-0中日」(3日、マツダスタジアム)

 思い切り右拳を振りかざす。一塁ベース上で派手なガッツポーズを繰り出した広島・中村奨成外野手には意図があった。「1番がチームに勢いを持ってこられるように。僕が気持ちを出していけば、(チームも)乗ってくるかなと思って」。今季初打点が投手戦での貴重な先制適時打。1番打者が仕事を果たした。

 つないで回って来た好機で燃えた。0-0の三回は先頭・堂林が左前打で出塁すると、次打者・矢野が犠打、投手・床田が二ゴロで走者を進めて2死三塁で打席を迎えた。「どんなブサイクなヒットでもいい」。相手先発・松葉の内角球に詰まりながらも振り抜いたゴロは二塁手の差し出したグラブの横を抜けていく右前適時打となった。

 7連敗中で迎えた一戦。試合前には会沢や野間、堂林らが音頭を取って選手だけのミーティングが行われた。昨年9月の大失速から教訓を得て設けられた結束を高める場。「やるのは選手だから頑張っていこう」という声が飛び、中村奨も「ミーティングの言葉を聞いて、今日は1番である以上、より気持ちが入った」と発奮材料にした。

 勝利打点をマークするのは2021年5月19日・巨人戦(東京ド)以来4年ぶり。早くも今季2度目のお立ち台に上がると、「2回も立てると思っていなかったのでうれしいです」とはにかみ、大歓声を浴びた。チャンスを生かせず悔しさにまみれた姿はもうない。今年の中村奨はひと味違う。

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