「広島７－１ヤクルト」（２３日、マツダスタジアム）

　広島が速攻でベテラン石川を攻略し、ヤクルトに圧勝した。１番に起用された中村奨成が３安打。サンドロ・ファビアンも３安打で３打点の大活躍。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は「いい競争ができている」と語り、坂倉や秋山ら主力選手を欠く状況下で未完成チームの“伸び代”を強調した。

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　ファビアンの打撃にエンジンがかかってきた。早いカウントから甘い球を打つようになっているのがいいんじゃないか。

　（初回、末包の右前先制打のあと一死一、二塁から左中間を破る２点二塁打。二回にも一死一、二塁から右前打で３打点目を記録した。四回には左翼線へ二塁打を放って３安打の固め打ち）

　最初のころは勉強のつもりなのか、ボールを見る傾向が強く、追い込まれたあとに誘い球を振らされていたが、徐々に三振が減ってきている。

　練習中に一度、ベンチの中で彼と話をしたことがあるんですよ。その時は僕から“日本の投手は球種が豊富でコントロールがいいから初球から打っていった方がいいよ”という感じで話した。もちろん通訳と一緒だったけどね。

　彼は“ＯＫ。分かった”と言ってた。それが関係しているのか分からないが、最近は初球から甘い球を振っていくようになっている。

　もの凄く素直な選手でよく挨拶もするし、チームにしっかり溶け込んでいるのがいいね。僕はホームランバッターというよりも、中距離ヒッターとして期待しているんだけどね。

　守備に関しても安定感が出てきた。集中力にやや欠けるところを感じた時季もあったが、それはなくなってきたね。守備範囲も広くなり、時にはスライディングキャッチもする。攻守に調子が上がってきたということかな。打てるようになると守りにも積極性が出るのかもしれない。

　この試合では中村奨成の頑張りも目立った。

　（１番・センターで先発出場し、初回に先頭打者で左線二塁打。二回は左前への幸運な二塁打。三回にも中前へ安打を放ちこの日４打数３安打。今季通算で１０打数６安打と好調だ）

　打撃練習ではオーバーフェンスを何本か打っていたし、ベンチには活躍の予感があったのかもしれない。１番には二俣や田村が起用されてきたように、今年は若手のレギュラー争いが激しい。

　坂倉や秋山、それに外国人のモンテロを故障で欠いている現状ではあるが、若い選手のこういう競争はきっとチーム力を上げていくはずだ。