広島・新井監督 奇襲失敗「自分のミスやね」六回1死一、三塁のエンドラン「一枚上をいかれた」 柳に計14回無得点

 戦況を見つめる新井監督。手前左は会沢(撮影・市尻達拡)
 6回、三本間に挟まれタッチアウトになる会沢(撮影・市尻達拡)
 6回1死一、三塁で、空振りする矢野(撮影・市尻達拡)
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 「広島0-2中日」(16日、マツダスタジアム)

 広島は奇襲が失敗に終わり、今季3度目の完封負けを喫した。0-0の六回。苦手の柳に対して1死一、三塁からエンドランを仕掛けたが、矢野が空振りして三走・会沢が挟殺された(記録は盗塁死)。新井貴浩監督(48)は「自分のミス」と振り返った。連勝は5、マツダスタジアムでの連勝も8でストップ。小休止を経て、18日からの阪神3連戦(甲子園)から再加速を図る。

 訪れたチャンスの後に残ったのは、スタンドからのため息だった。最後まで本塁が遠く、チーム11試合ぶりの完封負け。新井監督は六回の好機を挙げ「あれは自分のミスやね」とサバサバした表情で振り返った。

 中日先発の柳には前回9日の対戦で、7回無失点の好投を許していた。この試合も五回まで1安打。難敵が相手だからこそ、是が非でも先取点がほしい。指揮官の思いは采配で如実に表れた。

 先頭・会沢が左翼線二塁打で口火を切った。大瀬良がバスターで一ゴロを打って1死三塁。二俣の内野安打で一、三塁とした。

 ここで新井監督は奇襲を選択する。1ボールから矢野にエンドラン。しかし、内角低めのボール球を空振りし、スタートを切っていた三走・会沢が三本間で挟まれてアウト(記録は盗塁死)。好機の芽がしぼんだ。

 「スクイズはこれまでもやっているんで、もちろん相手も警戒している」と指揮官。その上でとっさにボール球を投じた相手右腕に対して、「柳くんに一枚上をいかれた。ウエストじゃないからね。それを含めて自分のミスだと思います」と潔く受け止めた。

 矢野は二塁内野安打で2死一、三塁としたが、首位打者の小園は力のない左飛。結局1イニング3安打で無得点に終わり、逸機が悔やまれた。

 これで柳には計14イニング無得点と苦戦が続いている。相手捕手は9日が木下で、今回が石伊。新井監督は「捕手が代わって、配球面も前回とは変わっていた。そこも次に向けて対策していきたい」と今後を見据えた。

 朝山打撃コーチも「柳投手は打者を見て配球してくるタイプ。打者が相手バッテリーと勝負しなきゃいけない。駆け引きに負けないように、逆に配球を読み合いながらっていうのを勉強していかないといけない」と現状での打開策を挙げた。

 連勝は5で止まり、3月30日から始まった本拠地での連勝も8でストップした。敗れた一方で、新井監督は「点は取れなかったけど、みんないい粘りを見せてくれていると思う」とナインの奮闘をたたえた。18日から敵地・甲子園に乗り込み、開幕カードで負け越した阪神と3連戦。これまで通りの全員野球で、再び上昇気流に乗っていく。

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