広島・新井監督「ダブルでうれしい」恩師・山本浩二氏が見守る前で今季初星 愛弟子・田村が適時打

 「広島2-0阪神」(30日、マツダスタジアム)

 ベンチを立ち上がった広島・新井貴浩監督の感情が沸騰した。声を上げ、右拳を突き出した先にいたのは21歳の若武者だった。今季23イニング目にしてチームに初めて生まれた適時打は、キャンプから自身がゲキを飛ばし続けてきた田村のバットから。若手も躍動しての今季初勝利に「もちろんうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 連敗スタートで迎えた一戦。秋山の負傷交代で五回の守備から出場した田村がアピール機会で燃えた。五回に左前適時打を放ち、八回にも左前打の2安打。指揮官は「渋いヒット2本でしたね」とニヤリと笑い、「今度は気持ちのいいヒットを見たい」と手綱を緩めることなく、さらなる一打を求めた。

 昨秋から若手野手には猛練習を課し、時として厳しい姿勢を見せてきた。とりわけ田村に対しては鋭い視線を注いだ。2月のキャンプ中に手を負傷して練習を休んだ際には「そんなに休んでいられないと思うよ?」と発信し、9日のヤクルトとのオープン戦で初回先頭打者の飛球を捕り損ねた後は三回の守備からベンチに下げた。

 監督に就任してから初めて行った“懲罰交代”。期待のホープであっても特別扱いはしない、厳しく変わっていくという無言のメッセージは田村だけではなく、チーム全体に伝わった。

 この日は自身の若手時代に監督を務めていた山本浩二氏が球場に訪れており、「浩二さんも解説で来られていたので(勝利できて)ダブルでうれしいです」と喜んだ新井監督。厳しくも愛のあった恩師のように-。根気良く戦う、その一歩目となる今季初勝利となった。

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