広島・大瀬良 DeNA相手に改良スライダー&フォーク隠さず「精度とかを確認」 12日に今季初の対外試合登板
広島・大瀬良大地投手(33)が10日、マツダスタジアムで行われた投手指名練習に参加した。12日のDeNAとのオープン戦(横浜)で今年初の対外試合登板に臨む右腕。横浜の地で12年目のシーズンに向けての一歩を踏み出す。同一リーグ球団との対戦になるが、手の内は隠さず、自らの確認作業に注力する姿勢を際立たせた。
雲一つない青空に、緑鮮やかな天然芝。最高の状態のグラウンドに大粒の汗をかいた大瀬良が立っていた。ブルペンでは40球程度を投じ、ダッシュなども行って調整。今年初の対外試合登板を前に「他チームを相手に、ゲームで投げる出力でしっかりと自分のボールが投げられるかどうか。一つ一つの球種の精度とか、その辺を確認していきたい」と呼吸を整えた。
相手のDeNAは同一リーグで、今年も多くの対戦が見込まれる。春季キャンプからスライダーやフォークを改良してきた右腕にとって、シーズンインまで手の内を隠すこともできるが「あんまり気にはしてない。投げたいなと思えば投げる。シーズンに入ったらいっぱい投げるし、隠したいとかはない」。自らが確認すべきことを最優先にして打者と対峙(たいじ)する心構えを示した。
本来は6日のロッテとのオープン戦(ゾゾ)に登板予定だったが、厳しい寒さを考慮して、遠征には帯同しなかった。代替措置として同日にマツダスタジアムのブルペンで“登板”。野村3軍投手コーチ兼アナリストを打席に立たせ、実戦を想定して73球を投じた。
悪条件で登板が流れてしまったとも取れるが、「ブルペンで調整させてもらえるなら、もらえるで、最近スライダーの感じがいいので数を投げられるかなとか、ブルペンで投げることによるメリットもある」と話していた右腕。実際に投げ込んでみて、「新しい試みとして、そういうのも良かったかなと思います。あと(開幕までに)3試合くらいは投げられると思うので、調整が遅れるという感覚もない。引き出しとか幅が広がるかなくらいの感じです」と収穫を強調した。
開幕投手こそ森下に譲ったが、九里がFAで抜けた今、チーム最年長投手として求められている役割には大きなものがある。昨季は6勝ながら防御率1・86の好成績を残した。「去年と一緒の感じで、段階的に上げていこうかなと思っています」。隠すものは何もない。確かな自信と手応えを胸に、開幕に向けてギアを上げていく。