広島の悩み解決予感 モンテロが豪快に来日初アーチ「めちゃめちゃうれしい」中日大野撃ち 新井監督「賢さも感じます」
「オープン戦、中日6-3広島」(24日、Agreスタジアム北谷)
広島の新外国人、エレフリス・モンテロ内野手(26)が24日、オープン戦チーム1号本塁打を放った。二回1死一塁で中日の先発・大野から左中間へ一時逆転の2ラン。待望の“来日初アーチ”で自慢の長打力を見せつけた。チームは昨季、得点力不足が響いて4位に転落。新助っ人はカープ打線の起爆剤として、大きな期待を抱かせる一日となった。
一直線に伸びたモンテロの打球は、低い弾道でフェンスを越えた。チームに足りなかった要素は、この男が埋める。そんな予感を大いに漂わせた、待望の“来日初本塁打”。「打った瞬間、行ったと思った。めちゃめちゃうれしい」と笑みがはじけた。
二回1死一塁で大野と対戦。2球続けられた内角直球を見逃し、2ストライクとなった。そして3球目。前の2球より少し甘くなった直球を左中間芝生席に突き刺した。対外試合4試合目、計8打席目で飛び出した一発にベンチのムードは最高潮に達した。
相手左腕は19年から2年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得し、20年には沢村賞に輝いた実績の持ち主。調整段階とはいえ“大野撃ち”には価値がある。「1、2球目は素晴らしい球が内角に来た。3球目は少し失投だったと思う。チャンスボールが来た」。失投を確実に捉える集中力と技術が心強い。
この場面、本人は「変化球が来ると思って狙っていたけど、甘い球が来たから打てた」と振り返る。直球で追い込み、最後は低め変化球で打者を誘うのが日本の配球パターンの一つ。それをケアしながら、直球を仕留めた。「日本人の投手は内角だけでなく、外角にも投げてくる。それを頭に入れ、勉強しながらやっている」。日本野球に順応しようと、細かい攻め方の把握に努めている。
新井監督もその姿勢をプラスに感じ取った。「少し詰まったように見えたけど『やっぱり力あるな』と。打席の中でも一球一球、考えながらね。配球や対応の仕方の部分で賢さも感じます」とパワーだけではなく、打者としてのクレバーな一面を頼もしく捉えた。
グラウンド外では沖縄グルメを満喫。「沖縄そば、すごくおいしかったよ」と明かし、先日はファビアン、ドミンゲスと焼き肉屋で舌鼓を打った。初めて来訪した沖縄で心身ともに充実の日々を送っている。
昨季のチーム打率はリーグワーストとなる・238。52本塁打は12球団最少で、慢性的な得点力不足が響いてBクラスに沈んだ。貧打解消の実現に向け、新助っ人が背負う期待は大きい。「打席に立って日本の野球の勉強をして、100%の状態で開幕を迎えられるように頑張りたい」とモンテロ。チームとファンの夢を背負い、本番への準備を着々と整えていく。
◇エレフリス・モンテロ(Elehuris Montero)1998年8月17日生まれ、26歳。ドミニカ共和国出身。190センチ、106キロ。右投げ右打ち。内野手。14年にカージナルスと契約。21年にロッキーズに移籍して22年にメジャーデビュー。メジャー通算205試合で21本塁打。マイナー通算106本塁打。24年はメジャー67試合に出場し、打率.205、4本塁打、28打点。





