広島・ファビアン 新井監督の102打点超える 新4番候補の約束「優勝させるために日本に来た」
広島の新外国人、サンドロ・ファビアン外野手(26)=前レンジャーズ傘下=が21日、デイリースポーツのインタビューに応じた。新4番候補として順調に調整を進めているドミニカン。キャンプイン前に交わした新井貴浩監督(48)との約束や、若くして日本移籍を選択した理由、優勝への思いなど、知られざる一面に迫った。
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-ここまでのキャンプを振り返って。
「とてもいい時間を過ごせているよ。日本での初めてのキャンプだけど、チームメートはみんな優しい。しっかりコミュニケーションも取れているし、すごくいい感じだよ」
-米国のキャンプとの違いは。
「野球のレベルはそんなに変わらない。でも米国よりは練習の量は多いかな。その分、しっかりバットを振れているから状態も上がってきている」
-実戦で積極的に打席に立っている印象。狙いはあるのか。
「この時期はどんどん打席に入って投手の球を見たい。試合に出ていきながら、日本の野球に早く慣れていきたいから打席を確保してもらっている」
-まだ対戦は少ないが、日本の投手の印象は。
「日本の投手は頭がいいね。配球がうまい。制球がいいし、技で勝負してくる印象かな。難しい対戦になっていくと思うよ」
-米国の時と打席内で何か考えを変えたりは。
「米国では毎打席、毎打席違ったアプローチをしていた。でも日本に来てからは、よりシンプルに考えるようにしている。変化球が多いし、制球もいい。だから来た球を打つ。これまではいいアプローチができていると思うよ」
-外国人は『助っ人』と呼ばれる。期待を感じているのか。
「チームを優勝させるために日本に来た。チームの優勝に貢献したい。良い結果が出せない時でも、諦めない気持ちで一生懸命にやりたい」
-これまで優勝の経験は。
「1年目のルーキーリーグで優勝した。あと7年目も2Aで優勝したかな。とても興奮したのを覚えているよ」
-新井監督の印象は。
「彼は本当に素晴らしい人間だね。良いアドバイスをくれるし、選手にプレッシャーを与えない。練習や試合の中で『できることをフリーでやってくれ』と言われている。選手の気持ちを一番に思ってくれている監督だね」
-監督からの言葉で大切している言葉は。
「一番に覚えているのはキャンプの前に『絶対に(広島時代の)俺の打点の記録(07年の102打点)を抜いてくれ』と言われた。それはプレッシャーに感じているんじゃなくて、自分の中に常に残している。監督が自分にその記録を抜けると信じてくれているのがうれしい。この約束は守りたいね」
-今季への意気込み。
「バッティングだけじゃなくて、守備でも走塁でもチームに貢献したい。優勝するために自分の力を全て出したい。全力でプレーする姿を見てほしいね」
-日本に来て驚いたこと、まだ慣れないことはあるか。
「驚いたのは、日本の文化だね。みんな本当に真面目。練習から細かく、丁寧にやっている。あれは驚いたね。今、一番困っているのは、寒さだね(笑)。そこはまだ慣れていない。シーズンが始まるともっと慣れないことが増えるだろうけどね」
-米国のこの時期はもっと暖かいのか。
「今の時期の気温はそんなに変わらないけど、日本のキャンプは米国より期間が長いからより寒さを感じているね」
-まだ26歳。メジャーを目指せる年齢で、なぜ日本への移籍を選択したのか。
「日本に来ることはそんなに難しいことじゃなかったよ。NPBはメジャーと変わらないぐらいレベルが高い。ここで活躍して、特別な新しい経験をしたいと思って決断したよ」
-今後の自身のキャリアについて考えているのか。
「先のことは分からないけど、とにかく日本で経験を積みたい。10年ぐらいプレーできたら最高だね。できるだけ長く愛されるような選手になりたいよ」
-同じドミニカンの新外国人、モンテロの存在は心強いか。
「モンテロのことは日本に来る前から知っている。彼はハートが強いし、勝ちたいと思う気持ちがとても強い。2人でたくさん打ちたいね」
-16日に行われた阪神との練習試合では、日本の応援に驚いていた表情が印象的だった。
「初回の守備の時は、本当にびっくりしたよ(笑)。投手が投げる時も応援が止まらないし、トランペットも使ってたしね。米国はプレーに対してのリアクションがあるけど、ここは違うね。本当に面白いと思う」
-カープファンの応援も心強い。
「マツダスタジアムでカープファンの応援を聞けばアドレナリンが出るだろうね。選手だけじゃなく、ファンのみんなと試合をしながら勝利を目指したいね」
-カープファンの熱さを感じているか。
「もちろん。すごく名前を呼んでくれるし、大好き。ファンには感謝しているよ」
-活躍すれば自身専用の応援歌が用意される。
「そうなの!?それは聞いてみたいね」
-どんな曲をリクエストしたいか。
「クールなやつをお願いしたいね。いい結果を残して、歌も作ってもらって僕のことを好きになってほしいね」
-秋山とはノック前に2人で話す場面もあった。どのような存在。
「秋山さんとはすごくいいコミュニケーションが取れている。彼は日本での経験も米国での経験も豊富。守備の時はポジショニングや各打者のタイプ、走塁ではベースランニングなど、いろいろ秋山さんからアドバイスをもらえていてすごく感謝しているよ」
-日本の野球に対してのリスペクト。
「チームメートはもちろんだけど、相手選手にもリスペクトを持つのが日本の文化。まだ知らないことがたくさんあるから、これからもっと勉強していきたいね」
【10の質問】
Q1…ニックネームは何がいい?
「『ファビ』だね」
Q2…日本で行ってみたいところは?
「友人である巨人のヘルナンデスが『東京は素晴らしい』と言っていた。東京には行きたいね。あと日本の海を見たい。とてもきれいだと聞いているよ」
Q3…野球を始めたのはいつ?
「8歳から。周りの友達がやっていたからそれに混ざっていった感じかな」
Q4…好きな食べ物は?
「肉だね。牛、豚、鳥なんでも食べるよ」
Q5…最近話せるようになった日本語は?
「スミマセン」
Q6…憧れの選手は?
「ケン・グリフィーJr.」
Q7…仲のいいカープの選手は?
「みんなかな。ここで誰かの名前を出すと嫉妬する人がいるだろうからね(笑)」
Q8…趣味は?
「映画観賞だね。米国の映画とドミニカの映画を見るよ」
Q9…マイ・ベスト映画は?
「インサイド・マン」
Q10…生まれ変わるとしたら何になりたい?
「もちろんプロ野球選手だね」
◇サンドロ・ファビアン(Ssndro Fabian)1998年3月6日生まれ、26歳。ドミニカ共和国出身。180センチ、81キロ。右投げ右打ち。外野手。14年にジャイアンツと契約し、翌15年から同国のサマーリーグでプロ初出場。22年にレンジャーズに移籍すると3シーズン(マイナー)で56本塁打をマーク。昨年9月6日にメジャーデビューを果たした。





