広島・二俣は本物! 対外試合1号 昨秋からチーム1号だらけ 新井監督「周りと比べても抜けているよう」
「練習試合、ヤクルト4-1広島」(15日、ANA BALL PARK浦添)
これは本物じゃ!広島の二俣翔一内野手(22)が15日、練習試合・ヤクルト戦(浦添)で先発出場し、今年の対外試合チーム1号となる先制ソロを放った。10日の紅白戦でも今年のチーム1号を放っており、2025年のチーム本塁打は背番号99が独占中。菊池、矢野、小園が君臨する内野レギュラー陣の高い壁を前に懸命なアピールを続けている。
また二俣が打った。猛練習に励む今キャンプ。マメだらけの手でバットを振り抜いた。高々と舞い上がった打球は左翼ポール際のスタンドに着弾。日南キャンプから存在感を示し続ける若武者は「自分はキャンプで調整という立場じゃないので、とにかくアピールするしかない」と前を向いた。
今年チーム初となる対外試合で先制アピールに成功した。0-0の四回先頭で迎えた2打席目で金久保が投じたフォークの抜け球を強振。「練習でやっていることを試合でも続けていこうと思ってやっている。それが良い結果として出ている」とうなずいた。
昨季終了後に打撃フォームを大胆に変更した。DeNA・宮崎をほうふつとさせるバットをしならせてボールをコンタクトする打法に取り組んでいる。昨年までは左翼方向が「フェアゾーンからファウルに流れてしまう打球が多い」という課題があった中、この日の一発はポール際でも切れなかった。「内角をファウルゾーンからフェアゾーンにスライスで打つイメージで体の回転を練習してきた。今日もしっかりバットがしなって真っすぐきれいに飛んでいった」と現状の取り組みに対して、さらに自信を深めた。
この打撃に新井監督も「秋のキャンプから良いものを見せてくれていた。周りと比べても抜けているような感じだった」と称賛。内外野を守れるユーティリティー性にも目を向け、「使う側からしたら使いやすい。このままアピールしてくれれば、全然あると思う。いろんな可能性が」とほほ笑んだ。
二俣自身、昨年11月の西武との練習試合で秋季キャンプチーム1号となる一発をかけ、今年に入ってからも10日の紅白戦で25年チーム1号となる2ラン。そして今年の対外試合チーム1号もマークした。“1号男”の名をほしいままにする中、1本だけで終わるつもりはない。「これからもしっかりアピールして、いいものが見せられれば」と力を込めた。
1月には巨人・岡本に弟子入りして自主トレも行い、高卒5年目での飛躍を目指す。チームメートからのニックネームは「マティー」。守備に、打撃に-。オールマイティーなプレーで鯉の一番星に躍り出る。
◇二俣 翔一(ふたまた・しょういち)2002年10月21日生まれ、22歳。静岡県出身。180センチ、78キロ。右投げ右打ち。内野手。浜岡中、磐田東高を経て20年度ドラフトで広島から育成1位指名。22年11月に支配下登録。24年4月4日のヤクルト戦(マツダ)で1軍初出場、同25日のヤクルト戦でプロ初本塁打を放った。内野はどこでもこなせる万能プレーヤー。