「巨人２－１広島」（１４日、東京ドーム）

　広島は投打がかみ合わず、散発３安打で３試合連続の逆転負け。今季２度目の同一カード３連敗で最下位に転落した。借金４は新井政権ワーストタイ。この日も変則右腕・高橋礼に苦戦を強いられ、得点は１点のみ。今季１４試合を終えて、１試合平均２・２点と打線全体に活気がない現状だ。来週末も巨人３連戦が控えており、敵地で味わった悔しさを本拠地で晴らすしかない。

　オレンジ色のタオルが揺れる。最後の望みを託した鯉党の願いも届かない。先頭・野間から始まった九回の攻撃は、三者凡退に片付けられた。全て逆転負けでの３連敗。奮闘した先発・ハッチを援護できず、新井監督は「また次回、援護してあげられるようにやっていきたいです」と、粘投に報いることができなかった敗戦を受け止めた。

　高橋礼は試合前時点で計１２回無失点。チームとしては５年ぶりの顔合わせとなった。変則右腕に苦戦したが、チャンスが全くなかったわけではない。二回は安打と相手失策で無死一、二塁。秋山はバントの構えからバットを引いたところ、二走・堂林が戻り切れず三塁アウトとなった。秋山は空振り三振に倒れ、田村は遊ゴロ。流れを引き寄せられず好機を逸した。

　三回は先頭・矢野が内野安打で出塁。犠打で二塁に進んだ。野間の３球目に三盗を成功させ、一ゴロの間に１点を先制。「矢野もよく行ってくれた。ヒット１本で１点かな。先制点に関しては、いい攻撃ができた」と指揮官。だが、三回以降は最後まで本塁が遠かった。

　サブマリン・高橋礼の直球は１３０キロ台。そこにスライダーとシンカーを織り交ぜられ、突破口を切り開けなかった。「（高橋礼は）適度に荒れていたので、絞りづらさはあったのかな」と新井監督。朝山打撃コーチは「アンダースローの対処法は高めのつり球に手を出さず、低い球を中堅から逆方向にという意識。（その中で）動く球に対して打たされた」と手を焼いた要因に言及した。

　来週末は本拠地で巨人３連戦が組まれており、順当なら変則右腕との再戦が見込まれる。同打撃コーチは「左打者の打たされた一ゴロ、二ゴロが一番良くない凡打。徹底して逆方向に打っていくとか。きょうもその意識で入ったけど、それより球が来なかったから、引っかけてしまった部分がある。もっと徹底させないといけない」と強調。対策を練り、１週間後のリベンジをもくろむ。

　今季２度目の同一カード３連敗で最下位に転落したチームは、１４試合で３１得点。１試合平均２・２点と貧打が続く。新井監督は「我慢して辛抱して、状態を上げていくことかな。各自がね」と個々の復調を待つ姿勢を示した。一日も早く攻撃陣が奮起し、悪循環を断ち切る白星をつかみたい。