広島・九里が鉄腕宣言 3年契約最終年目標は200投球回 現状維持1億4千万円プラス出来高でサイン
広島の九里亜蓮投手(32)が7日、広島市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の1億4000万円プラス出来高にサインした。22年から3年契約を結んでおり、来季が契約最終年になる。今季は26試合で8勝8敗、防御率2・53。投球回は両リーグトップの174回1/3だった。来季も“鉄腕宣言”し、200投球回を目標に掲げた。
さらなる高みを目指す。来季の目標を問われた九里は「常に上を目指してやりたい」と力を込め、明確な数字を挙げた。先発を任され、こだわり続けているのは投球回。来季はキャリアハイを記録した今季を超える決意だ。
「ファン感謝デーのときに安仁屋さんに200イニングを投げないとダメって言われた。もっと投げられるように。目指して頑張ります」
今季は26試合に登板し8勝8敗、防御率2・53で174回1/3を投げた。シーズン前に目標としていた170回をクリアした上で、両リーグ最多投球回を記録した。投手が打席に立つセ・リーグでのトップ成績。チームから信頼された証しと言ってもいい。
勝ち星や防御率にこだわりながらも、投球回に最も重きを置く。その理由を「やっぱり1年間、ローテを守らないとイニングは投げられない」と説明した。長い回を投げ、試合を前へ進めるのが先発の役割。年間を通してチームに貢献するために目標としている。
200回に到達すれば、球団では15年に206回1/3を投げた前田健太(来季・米タイガース)以来となる。26試合に登板した今季を踏まえ「全部の試合であと1イニングずつ伸ばせれば、いけない数字ではない」。大台突破への道筋は、はっきりと見えている。
今オフはフォーム固めに汗を流す。11月中旬、千葉県内にある施設で「ドライブライン・ベースボール」のセミナーに参加し、米国の最先端の技術などを学んだ。
分析結果を受け、現在は力をより無駄なく指先に伝えるため、踏み出したときに6・5~7歩だった歩幅を5歩まで縮める。「結構違います」。見た目にも大胆な変更だ。それでも飽くなき向上心が、変化を恐れない姿勢につながっている。
「(今季の)2位は悔しさの方が勝っている。来シーズンはリーグ優勝、日本一に向けてしっかりできたら。結果を出して、チームの勝ちに貢献したい」
頼もしい“鉄腕”は力強く言い切った。