広島・新井監督 神采配で連勝突破!六回ピンチに大道でピシャリ→代打・末包弾 阪神戦へ「高校球児のように戦ってきたい」

 6回、ソロを放った末包を歓喜しながら迎える新井監督(撮影・田中太一)
島内(左)にあいさつを促す新井監督(撮影・飯室逸平)
 鈴木誠也に笑顔を見せる新井監督(撮影・田中太一)
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 「JERA CSセ・ファーストS・第2戦、広島東洋カープ4-2横浜DeNAベイスターズ」(15日、マツダスタジアム)

 広島が2連勝で「2023 JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストステージを突破した。六回の継投や、代打起用した末包や田中も結果を残すなど、新井貴浩監督(46)の勝負手がことごとく的中する“神采配”で、勝利を手繰り寄せた。くしくもこの日は、1975年に球団初のリーグ優勝を決めた日と同じ日付。この勢いのまま、甲子園でのファイナルS(18日開幕)で阪神を撃破する。

 ベンチの最前列で何度も右手を突き上げ、手をたたく。抑え切れない興奮をくれたのは、起用に応えてくれた選手がいたからこそ。高ぶり続けた喜びは勝利の瞬間、歓喜へと形を変えた。2連勝で第一関門を突破した新井監督は「選手がしっかり準備して、プレーしてくれたおかげ」とナインに賛辞を贈った。

 同点の八回無死満塁で、田中が試合を決めた。近年1軍での結果が伴わなかった男に、監督就任時から期待を寄せていた指揮官。「どのアウトも一緒だから、いろんなことを考えずにやってくれ」。持ち味の積極性を失わせないよう、背中を押したこともある。それを体現するように初球を打った背番号2。ベンチとスタンドの熱狂が球場を揺らした。

 ファーストS開幕前に「とにかく後手、後手にならないように」と肝に銘じた。初戦同様、この日も積極采配。1-0の六回は森下が1死三塁のピンチを迎えると「1死三塁になった時点で大道と決めていた」と継投へ。

 大道は大田を二飛、牧を右飛とオール直球で無失点と期待に応える。「島内もだけど、大道も今年は本当に成長してくれた投手」。これだけでは終わらない。その裏、大道の打席での代打・末包がソロ弾を放つという、鮮やかな流れを生んだ。

 試合前からサプライズで本拠地を沸かせていた。山本浩二氏の始球式では、観戦に訪れていたカブス・鈴木に打者役を務めるよう“緊急指令”を出した。

 「(決まったのは)5分前です。恐ろしいです。(仕掛け人は)新井監督です」と鈴木本人は苦笑いもスタンドは大盛り上がり。自身の靴とジャージーを貸した指揮官は「誠也が打席に立つとお客さんは喜んでくれるから。急きょ決まった。すごく盛り上がったので良かった」と粋な演出の成功にニッコリだ。

 試合後のあいさつでも「まず私のあいさつの前に、島内より皆さまに一言御礼を申し上げます」と、突然指名するむちゃぶりで、場内を笑わせた。勝利はもちろん、一日を通してファンの心に寄り添った“新井劇場”。一丸となって、18日からは甲子園で阪神に挑む。

 「甲子園では今年のスローガンでもあります『がむしゃら』に、カープの全員野球で高校球児のように戦ってきたいと思います」と宣言。泥くさく、ひたむきに鯉党の心を熱くさせて、必ずまたここに帰ってくる。

 ◆8年ぶり2位球団ファイナルS進出 シーズン2位球団がセ・リーグCSファーストSを突破したのは2015年の巨人以来。新型コロナの影響で開催されなかった20年を除き、16年以降のファイナルS進出球団は16年=DeNA、17年=DeNA、18年=巨人、19年=阪神、21年=巨人、22年=阪神でいずれも3位だった。

 ◆広島のCS代打弾 CSで代打本塁打を放った広島打者はこの日の末包が球団史上2人目。1人目は13年のCSファーストS第1戦で岩本が九回に3ランを記録している。また、広島のCS通算本塁打数はこの日で13本に。1試合2本塁打以上は【1】13年CSファーストS第1戦=キラ&丸&岩本【2】18年CSファイナルS第1戦=鈴木&丸に続いて2試合目となった。

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