逆転のカープだ 末包3ランで9連勝「危ないと思って死にものぐるい」 待望一発に新井監督「そこが彼の一番の魅力」

 4回、逆転3ランを放った末包はナインに迎えられ大喜び(撮影・田中太一)
 5回、坂倉のソロにベンチでガッツポーズの新井監督
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 「広島東洋カープ5-3東京ヤクルトスワローズ」(26日、マツダスタジアム)

 逆転のカープだ!4年ぶりの9連勝だ!!2点を追う四回に末包昇大外野手(27)の2号3ランで逆転。五回には坂倉将吾捕手(25)が球団8800本塁打となる9号ソロで追加点。このリードを強力リリーフ陣で逃げ切った。これで両リーグ最多の19度目の逆転勝利。諦めないのが新井カープの強さだ。

 末包の思いを乗せた打球は執念で右中間スタンドへ飛び込んでいった。

 苦しい戦いだった。二回2死一、二塁に自ら右前に落とす適時打で先制したが、直後にオスナに逆転3ランを許した。

 2点を追う四回1死一、二塁で再び末包にチャンスが巡ってきた。2ボールから高橋の高めに浮いたチェンジアップを強振し、逆転3ランにしてみせた。

 深谷一塁塁審が1度はフェアのジェスチャーをしたため、赤松三塁コーチャーとは半信半疑のままハイタッチをかわしたが、審判団協議の末、本塁打と認定されようやく喜びを爆発させた。

 プロ2年目の今季はここまでわずか6安打。右の大砲候補として期待されながらも結果を残せずにいた。15、16日のDeNA戦ではスタメンのチャンスも無安打。危機感を募らせていた。

 「ラストチャンス。このカードの先発ローテを見て結果を出さないとほかにも右打者がいますし、危ないなと思って死にものぐるいでいきました」

 必死の思いがチーム4年ぶりの9連勝へとつながった。

 新井監督も待望の長距離砲の一発に目を細める。

 「期待通りのいい打撃を見せてもらいました。なかなか逆方向の一番深いところにホームランを打てる打者というのは少ない。そこが彼の一番の魅力。結果を気にすることなく積極的に振っていってもらいたい」

 これで逆転勝利は12球団トップとなる19度目。指揮官はその要因について「チーム全体が最後の最後まで試合を諦めない意思統一がされていること。野手だけでなく、先発、ブルペンが頑張って耐えてくれている。これもチーム全員だと思います」と話した。

 西川、菊池が離脱する中、抜てきした若手の活躍で勝利。これ以上ない手応えを感じているはずだ。

 首位・阪神も勝ったためゲーム差は「0」のまま並走を続けている。最後まで諦めない逆転のカープで進み続ける。

 ◆本拠地最長ヤクルト戦8連勝 本拠地でのヤクルト戦8連勝は、広島市民球場だった1989年5月2日から8月12日までに記録した7連勝を更新する最長。また、79年4月14日から8月11日までも1分けを挟んで7連勝を記録している。

 ◆広島球団通算8800号! 広島はこの日の末包と坂倉の2発で球団通算8800号。球団1号は白石勝巳が1950年3月16日・中日戦(福山)で記録。また1950年以降のセ・リーグ他球団の通算本塁打数は阪神=8022本、DeNA=8305本、巨人=10472本、ヤクルト=8486本、中日=8612本。

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