広島・栗林 逆転呼んだ七回の0封 プロ3年目初勝利に満面笑み WBC負傷離脱の悔しさ「ラストチャンスと思っていた」

 プロ初勝利を挙げウイニングボールを手に新井監督(右)から祝福される栗林(撮影・中島達哉)
 7回、登板した栗林(撮影・中島達哉)
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 「日本ハム2-3広島」(6日、エスコンフィールド)

 広島が逆転勝利。七回を投げた栗林良吏投手(26)がプロ3年目でうれしい初勝利を挙げた。WBCの離脱から、シーズンの不調、故障と苦しんできた右腕にようやく訪れた笑顔のとき。交流戦3カード目にして初めて初戦勝利。貯金も1に戻して、北の大地から一気に逆襲へ転じる。

 苦しんできた男に“野球の神様”がやっとほほえんだ。栗林がプロ3年目、通算116試合目の登板にしてうれしい初勝利を手にした。

 「めちゃくちゃうれしかった。今年、いいこと全然なかったので、WBCの離脱とかもそうですけど、そういうことも含めて今年一番うれしいです」

 笑顔があふれた。

 出番は1点ビハインドの七回。先頭の細川をフォークで空振り三振に斬ると小さく右手でガッツポーズ。

 「自分の中ではラストチャンスだと思っていましたし、がむしゃらにやらなきゃいけないと思っていたから」

 続くは松本剛。昨季のパ・リーグ首位打者で、三回には大瀬良から先制2ランを放っている強打者に対して、147キロのカットボールで二ゴロに打ち取った。加藤豪には安打を許したが、万波をフォークで遊ゴロに打ち取り、1回無失点。八回の逆転劇を呼び込んだ。

 腰の張りのため1試合も投げることなく終わったWBC。

 「せっかく選んでもらったのに力になれなくて栗山さんに申し訳ない。自分の管理不足と思いますけど、あの場にいたかった」

 悔しい思い出になったが、何も残らなかったわけではない。収穫もあった。ダルビッシュから教わったカットボールがそれだ。

 「自分はカットボールの握りという感じで投げていたのですけどダルビッシュさんは真っすぐと同じ感覚で投げると言われていた」

 投げてみると曲げようとしなくても勝手に曲がる。打者の手元で小さく変化する武器になっていた。

 力強い味方もあった。左翼スタンド前のブルペンで準備中にファンから“頑張れ”の声が届いた。

 「さすがに返事はできないですけど、その言葉でもう1回、気持ちがグッと入ってマウンドに上がれた。きょうは本当にファンのみなさんの声援が力になったかなと思います」

 投げ出したくなるようなときでも諦めなかった。だからこそ、ファンは応援し続けてくれる。応えるためにこれからも栗林は右腕を振り続ける。

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