カープ九里 954日ぶり完封勝利 “竜キラー”計24イニング自責0 九回は志願「行かせてもらいました」

 完封勝利を挙げた九里は新井監督に迎えられ笑顔を見せる(撮影・田中太一)
 石川昂に対して気迫の投球を見せる九里(撮影・田中太一)
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 「中日0-4広島」(10日、バンテリンドーム)

 広島の九里亜蓮投手(31)が“竜キラー”ぶりを発揮し今季2勝目を手にした。打たせて取る投球で4安打無失点。3年ぶり、自身3度目となる完封勝利だ。今季の対中日は3試合で計24イニング自責点0。対戦成績も21年5月8日に勝って以降、自身6連勝とした。チームは2試合連続の零封勝ちで2連勝。7カードぶりのカード勝ち越しを決め、勝率5割に復帰した。

 敵地のマウンドで九里が躍動した。九回2死。堂林が右翼線の飛球を受け止めた。「最後も3人で切って0点で抑えられて良かった」。勝利のタッチでようやく表情が崩れる。4安打の快投劇。今季2勝目を、954日ぶり、自身3度目の完封勝利で飾った。

 力強い直球を軸に多彩な変化球を織り交ぜ手玉に取る。最初に訪れた二回1死三塁のピンチを切り抜け、先頭の出塁を許した四回無死一塁でも4番・石川昂を二ゴロ併殺打に打ち取った。

 テンポ良く腕を振りストライクを先行させることでリズムに乗った。「打者一人一人と勝負した」。内野ゴロの数は13個で、併殺打は2つ。要所で空振り三振も奪った。今季の中日戦は3試合、計24イニングで自責点0。“竜キラー”ぶりを発揮した118球だった。

 八回を投げ終えると、ベンチで新井監督から声をかけられた。「どうする?と聞かれたので『行かせてください』と言って九回、行かせてもらいました」。最後までマウンドを守り抜くのが理想の投手像。強い思いで、最後まで全力で腕を振った。

 新井カープとなり完封勝利一番乗りでもある。指揮官は長いシーズンを見据え先発投手を球数などで管理する。八回を投げ終えた時点で、右腕の球数は交代メドの100球を超える108球を数えた。

 継投について問われた新井監督は「代えたら怒られるでしょ(笑)」とニッコリ。「本当にナイスピッチングだった。タフで頼りになる投手」と言って再び目尻を下げた。

 九里は「登板間隔が空き過ぎると体が軽くなり過ぎる。僕は間隔が短い方が良い。中3日でも」と言ったことがある。積極的休養も必要なしと捉える。そのたくましさはチームの大きな武器だ。

 勝ち星こそ2つながら、防御率は阪神・村上に次ぐリーグ2位の1・33となった。「四球や先頭打者へのボールだったり、課題は出ている。次の登板へ向けて。1週間しっかり準備していきたい」と前を見据えた。タフネス右腕がチームをけん引する。

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