カープ床田“岐阜がい旋登板”で快投再現へ 大学時代に何度も登板「良い思い出の方が多い」
広島の床田寛樹投手(28)が8日、マツダスタジアムでの投手指名練習に参加し、“岐阜がい旋登板”となる9日・中日戦で白星を挙げ、チームの連敗を3で止めることを誓った。長良川球場は中部学院大時代に何度も登板経験があり、イメージも良い。同戦から4カード連続ビジターの初戦を託された左腕が、思い出の地でチームの流れを変える。
久しぶりの登板に胸を躍らせた。長良川球場のマウンドに上がるのは中部学院大4年だった2016年以来だ。「良い思い出の方が多いと思う。大学を思い出しながら投げたい」。床田は額の汗をぬぐいながら表情を崩した。
大学時代に何度も登板した球場で記憶に残るのは、4年時の秋季リーグ・中京学院大戦。当時ドラフト上位候補だった吉川(巨人)を視察するために、多くのスカウトが足を運んでいた。
床田は注目を集めた一戦で快投を見せた。吉川に対しては延長十回の5打席目で安打を許すまで4打席連続で打ち取った。最後はサヨナラ負けを喫したが、九回には当時最速の148キロを計測した。
「スカウトもいっぱいいてアピールには成功したかなと。ワンチャン、プロがあるかもしれないと、その時思いましたね」
球威とスタミナを見せつけたことが、ドラフト会議での指名につながったと回顧する。
7年ぶりの長良川球場での登板だ。「(昔とマウンドは)多分変わっていると思うので、最初の5球を大事にして、修正しながら投げていきたい」と力を込めた。
地方球場での登板は、22年4月13日に松山・坊っちゃんスタジアムで行われたヤクルト戦以外、経験がない。マウンドの硬さや傾斜などはプロの本拠地球場とは異なる。腕を振るごとにフォームなどを微調整しながら打線を抑え込んでいく。
今季は5試合で2勝0敗、防御率1・67と安定感が光る。6回1/3を7安打1失点だった前回2日・DeNA戦からは、腕の振りを修正した。「最近、小手先で曲げがちだった」。力強く腕を振り抜くのが持ち味。2年ぶりの登板となる中日戦は、原点回帰して臨む。
チームは開幕以来の3連敗中で借金は2。ビジターは4勝10敗と黒星が先行する中、4カード連続ビジターの初戦を託された。
「ビジターでもファンの人がいっぱい来てくれるので、そこは力になると思う。何とか勝って良い流れをつくりたい」。大学時代を過ごした岐阜の地で、チームを上昇気流に乗せる。